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品質で日本、価格で中国に押される韓国キムチ(下)

◆日本で苦戦するワケ

 農水産物流通公社のウ・スドン次長は、「日本市場で韓国産は日本産に比べて競争力がない。日本産は自国市場でネットワークを構築しており、自国産は安全という信頼もある上に、味も徹底して現地化されている」と話す。

 大象FNF韓国食新鮮研究所のイ・ジンヒョク氏は、「日本は05年に寄生虫の卵問題が発生してから、自国産以外には不信の目を向けている」と語った。農水食品部と農水産物流通公社がまとめた報告書『海外の消費者から見た韓国の農産物』によると、今年5月から7月にかけて日本の消費者100人を対象に韓国産・日本産・中国産キムチに対するイメージを調査したところ、安全面や衛生面での肯定的評価は韓国産が38.5%にとどまったのに対し、日本産は64.4%ではるかに安全というイメージがあることが分かった。韓国産に対するプラスのイメージは「包装状態」で39.4%、「品質への信頼」では43.3%だったが、日本産は55.8%と56.7%でどちらも韓国産を上回っていた。

 日本の食品メーカーがキムチの生産に参入して韓国企業にダメージを与えた点も、要因として挙げられている。キムチ輸出協議会のキム・ウェスク会長は、「日本企業が直接韓国に工場を建ててキムチ市場に参入し、輸出単価を引き下げた。そのため韓国企業が相対的に被害を受けている」と怒りをあらわにした。

◆競争力を高めるには

 韓国産キムチが「宗主国」としてのプライドを守り、競争力を高めるにはどうすればいいのだろうか。ウ・スドン次長は「海外でキムチ市場のパイを広げなければ、韓国産キムチの競争力を高めることはできない。キムチを輸出する企業は中小が中心だが、市場の支配力を持つ大手企業が早く現れるべきだろう」と述べた。

 ウ次長はさらに「韓国産キムチの安全性を主張するだけの宣伝では、否定的な記憶を思い出させる結果となり逆効果だ。厳格な品質管理、生産工程の見学、正確な成分表示、生産期日の表記などを進めれば効果があるはずだ」と語った。

 キム・ウェスク会長は、「日本でも韓国が本場であるという点は認めている。韓国伝統の味を生かしながら、現地人の好みに合わせて攻略するのが“キムチの世界化”だ」と述べた。「現地化」という名目で日本の浅漬けのようなキムチを売るのではなく、酸味のある熟成したキムチを増やして韓国キムチ本来の味で差別化を図るべきということだ。

 農村振興庁韓食世界化研究団のハン・クィジョン研究官は「トマトケチャップとキムチを組み合わせたソースを作るなど、キムチを応用したさまざまな製品を開発すれば、韓国キムチの競争力を高めることができるだろう」と述べた。

ホ・ユンヒ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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