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イラク:安保協定草案を承認…米軍駐留の法的根拠

 【カイロ高橋宗男】イラク政府は16日、緊急閣議を招集し、米国との安全保障協定草案を承認した。草案にはイラク駐留米軍の11年末までの撤退や、米軍がイラクを近隣諸国への出撃基地として使用しないことが盛り込まれている。正式合意にはイラク連邦議会での承認手続きが必要になるが、議会多数派の幹部である閣僚の多くが草案に賛成したことで、議会でも承認される見通しが強まった。閣議には37人の閣僚中28人が出席し、全員が賛成した。

 協定は、今年末で期限が切れる国連安保理決議に代わり、米軍のイラク駐留の法的根拠となるもの。イラク国内に「米占領政策の継続を許すもの」との反発があり、米国との交渉が難航してきた。

 イラクは米国に対し「11年までの完全撤退」など、ブッシュ政権が難色を示した撤退スケジュールを盛り込ませ、当初は「地位協定」としていた協定の名称を「米軍撤退協定」と呼ぶなど、米国から譲歩を引き出したとの姿勢を国民にアピールしていた。

 協定に反対するイランとの関係が深い、イスラム教シーア派最大派閥「イラク・イスラム最高評議会」(SIIC)が態度を鮮明にしてこなかったことも、交渉難航の理由とされる。しかしSIICは、最終段階で草案に「イラクを近隣諸国攻撃の出撃基地にしない」との文言が加えられたことで、イランの理解を得られると判断した模様だ。

毎日新聞 2008年11月16日 22時03分

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