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“機能不全”寸前の地域医療 救急患者殺到、医師不足深刻…にじむ疲労 (2/3ページ)

2008.11.16 15:23
このニュースのトピックス病気・医療

 同病院には、年間約1万6000人の救急患者が来院、搬送される。原則2人の当直医が時間外に診察する救急患者数は、1日平均20人を超える。しかし、そのうち80%以上がその日に帰宅する軽症者だ。

 同病院の石山智敏救急部長は「軽症か重症か分からないまま、ここに救急患者が集まってくることが問題。都市部と違って他に病院もないので“たらい回し”はありえないが、緊急性の高い重症者に力を注ぐという、本来、基幹病院があるべき姿からはほど遠い」と語る。

 当直時の多忙は、勤務医の加重労働にもつながっている。県医師会の常任理事を務める武田憲夫医師(山形県立中央病院副院長)は、「いま勤務医は疲れ切って、モチベーションを保てなくなっている」と訴える。当直明けからの通常勤務に加え、手術、会議に追われ、「心が折れて“立ち去る”」医師や、当直のない開業医に転身する者も珍しくないという。残された医師に一層負担がのし掛かる悪循環に陥っている、と明かす。

 加重労働は、医療サービスの低下やミスを誘発する危険性を高める原因にもなりうる。事態は深刻だ。

 自治体や医師会は、従来の時間外診療の当番制は「もはや崩壊している」(武田医師)として、救急患者が利用しやすい定点化した時間外診療所の整備に取り組んでいる。診療所では初期医療、基幹病院では高次医療と、役割分担し負担をうまく分散させるのが狙いだ。

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