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“機能不全”寸前の地域医療 救急患者殺到、医師不足深刻…にじむ疲労 (1/3ページ)

2008.11.16 15:23
このニュースのトピックス病気・医療

 地域医療の“最後の砦”を担う基幹病院に、軽症、重症問わずに救急患者が押し寄せて、機能不全を起こす寸前だ。福島県郡山市では2月、救急搬送された女性が、「ベッドがない」「処置できる医師がいない」などと、5病院で9回も受け入れを断られ、死亡する最悪の事態も起きた。自治体や医師会はこの事態にどう向き合っているのか。山形県の救急医療現場を探った。(松本健吾)

 「重症患者を診察している横で軽症患者が『早く診てくれ』と待っている。とても、手が回らない」。11月上旬、山形県新庄市の県立新庄病院の男性医師(27)は、聴診器を首からぶら下げたまま、そう口をゆがませた。声に疲労感がにじむ。当直明けで、勤務は30時間を超えている。

 その前日、午後8時すぎ。当直態勢の急患室に、救急車から担架で患者が次々と運び込まれた。交通事故でけがをした子供を皮切りに、火災で負傷した3人が到着。男性医師ら2人の当直医師は、さらに医師を呼び出し、火災でのどを焼いた2人を重症と判断して、優先的に治療に取りかかった。一段落付いたのは約1時間後だった。

 ところが、この間に、胸痛を訴えて来院したが、医師の手が足りずに、診察が後回しになっていた男性がいた。待っている間、看護師が様子を伺っていたものの、「胸痛との情報だけでは、容体が急変するリスクはゼロではない。心臓の異変から来る痛みだったら最優先になる。早く診たかったのだが…」(男性医師)。結局、その後の診察で、この男性は転倒による胸の打撲と判明。男性医師は、胸をなでおろした。

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