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韓国石油化学業界を襲う未曾有の不況(上)

米国発の金融危機→中国の景気悪化→韓国石油化学業界に直撃弾

SKエナジー、35年目にして初めて工場の稼動停止…LG化学は減産

「原料より安い完成品、工場を稼動させるほど損害」

 東海(日本海)沿岸、蔚山にあるSKエナジーのナフサ(石油化学製品の原料)分解第1工場。中央調整室の38個のモニターに表示される各種工場の稼働率は、すべて「0」を示していた。監視カメラの画面に映る極めて高い煙突からも、煙は出ていなかった。1973年に竣工して以来35年目にして初めてのことで、ごう音を響かせていた機械類は深い眠りに就いた。元気に動いていた圧力ポンプには、「運転停止」という緑色の表示が付けられていた。

 韓国南岸の麗水産業団地に集まっている石油化学各社も、例外ではない。LG化学は1991年の工場稼動以来初となる減産に入り、韓国最大のナフサ分解工場(年間181万トン規模)を擁している麗川NCCもまた、99年の設立以来最大となる30%の減産措置を断行した。

 11月6、7日に訪れた麗水と蔚山では、石油化学各社がこれまで例のない稼動中断や減産の苦痛にあえいでいた。グローバルな景気悪化の影響でプラスチック製品や衣類など工業生産品の需要が急減し、石油化学メーカーは力なく倒れ込んでいる。業界関係者は「まるで悪い夢を見ているようだ。アジア通貨危機のときも、ここまでひどくはなかった」と嘆いた。

◆危機の石油化学業界を襲う減産の波

 今年10月の時点で、既に石油化学各社は工場の補修という名目で稼動を一時中断していたが、10月末からはそもそも工場を動かさなかったり、減産の幅を拡大したりしている。蔚山の泰光産業は1カ月間、25万トン規模のアクリルニトリル(衣類などの原料)生産工場の補修工事をしていたが、11月5日からは稼動を全面的に中断した。合成樹脂の原料であるプロピレンの生産工場さえも23日まで補修工事に入り、三つある工場の内正常稼動しているのはテレフタル酸(合成繊維の原料)工場だけとなっている。

 100万トン規模のエチレン生産能力を誇るロッテ大山石油化学は最近、稼働率を90%から70%に下げた。麗水の湖南石油化学も、NCC(ナフサ分解施設)の稼働率を30%に下げることを検討している。工場が正常稼動中の企業も、危機感から逃れられずにいる。蔚山にあるサムスン石油化学のキム・スンス生産チーム長は、「現在工場は正常稼動中だが、業績は悪化し続けており、いずれ減産しなければならないかもしれない。最大限原価を抑え、状況を注視している」と語った。

麗水・蔚山=金栄慎(キム・ヨンジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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