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「控訴審は1審の裁判員判決尊重」 最高裁司法研が報告書 (2/3ページ)

2008.11.11 23:11
このニュースのトピックス迫る裁判員制度
模擬裁判で選任され宣誓する6人の裁判員たち(正面)。左側は検察官、右側は弁護人、手前は裁判長=11日、東京地裁(代表撮影)模擬裁判で選任され宣誓する6人の裁判員たち(正面)。左側は検察官、右側は弁護人、手前は裁判長=11日、東京地裁(代表撮影)

 裁判員裁判の審理を充実させるための指針としては、「殺意」や「責任能力」といった難解な法律用語や法律概念を簡素で明確に説明することが必要と指摘。この場合、法律用語を安易に簡単な言葉に置き換えるのではなく、「責任能力」は「精神障害のために罪を犯したのか、もともとの人格による判断によるものか」というように、「本当に意味することに立ち返った説明」をすることが適当とした。

 さらに、責任能力をめぐる精神鑑定について、複数の鑑定は裁判員の混乱を招くことから、捜査段階や公判前整理手続きの段階で弁護人の意見も聞き、1回にとどめるべきだとした。

 精神科医らの鑑定意見についても、「心神喪失」や「心神耗弱」といった専門用語を使うと裁判員の心証に影響を与えるとして、犯行時の精神障害の有無や医学的所見のみを提示すべきだとしている。

     ◇

 ■刑事裁判の原点回帰

 四宮啓・早稲田大法科大学院教授(弁護士)「控訴審の1審判断尊重は刑事裁判の原則に戻る方向であり、評価したい。これまでの控訴審は、1審の記録を使って証言などを吟味し、裁判官が独自の判断を示してきた。控訴審の役割も1審の手続き違反や不合理な判断の審査という建前と異なっていた。神ならぬ人間が真実に近づくには証拠に直接触れ、口頭で説明を受けるのが最善の方法。裁判員の参加が刑事裁判を本来あるべき姿に戻しつつある」

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模擬裁判で選任され宣誓する6人の裁判員たち(正面)。左側は検察官、右側は弁護人、手前は裁判長=11日、東京地裁(代表撮影)
 裁判員制度の模擬裁判で、裁判官(正面奥)から個別質問を受ける裁判員候補者(手前)。引き受けられない事情を裁判官に説明する=11日、東京地裁(代表撮影)
模擬裁判で待合室に集合した裁判員候補者たち。大型プロジェクターを用いて書記官から事件の説明を聞く=11日、東京地裁(代表撮影)
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