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「控訴審は1審の裁判員判決尊重」 最高裁司法研が報告書 (1/3ページ)

2008.11.11 23:11
このニュースのトピックス迫る裁判員制度
模擬裁判で選任され宣誓する6人の裁判員たち(正面)。左側は検察官、右側は弁護人、手前は裁判長=11日、東京地裁(代表撮影)模擬裁判で選任され宣誓する6人の裁判員たち(正面)。左側は検察官、右側は弁護人、手前は裁判長=11日、東京地裁(代表撮影)

 来年5月に始まる裁判員制度に向けて、最高裁の司法研修所は11日、裁判員らが判断した1審判決について、職業裁判官だけで構成される控訴審は「できる限り尊重すべきだ」などとする提言を盛り込んだ研究報告書を公表した。報告書に拘束力はないが、国民の社会常識を反映した1審判決に対する控訴審のあり方に方向性を示したことになり、各裁判官の実務の参考になるとみられる。

 司法研修所は昨年、裁判官や大学教授からなるチームに、控訴審の位置づけや分かりやすい1審裁判のあり方などについて研究を委嘱。このうち裁判員裁判の結論を控訴審でどう審理するかは、制度導入の議論当初から大きな課題となっていた。

 報告書は、あくまでも1審の裁判員裁判が、法廷に直接提出された証拠とやり取りに基づいて「充実した審理」が行われることを前提としている。

 そのうえで、1審の判断には国民の視点や知識、感覚、社会常識が反映されることから、控訴審は「できる限りこれを尊重して審理に当たる必要がある。破棄相当として審理を差し戻すケースは例外的なものに絞り込まれる」と指摘。控訴審の役割について「事後審である本来の趣旨を、より徹底させるべきだ」と位置づけた。

 量刑についても、よほど不合理であることが明らかな場合を除いて1審の判断を尊重すべきだとした。ただ、「死刑」か「無期懲役」かで1審と控訴審の判断が分かれた場合には、慎重な検討を要するとして判断を保留した。

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模擬裁判で選任され宣誓する6人の裁判員たち(正面)。左側は検察官、右側は弁護人、手前は裁判長=11日、東京地裁(代表撮影)
 裁判員制度の模擬裁判で、裁判官(正面奥)から個別質問を受ける裁判員候補者(手前)。引き受けられない事情を裁判官に説明する=11日、東京地裁(代表撮影)
模擬裁判で待合室に集合した裁判員候補者たち。大型プロジェクターを用いて書記官から事件の説明を聞く=11日、東京地裁(代表撮影)
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