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無期刑と仮釈放

 刑法は無期刑を受けた者に「改悛(かいしゅん)の情があるとき」には、10年が経過した後に仮釈放できるとしている。ただ、2005年1月の改正刑法施行で、それまで20年だった有期刑の上限が30年に引き上げられたことなどから、仮釈放までの期間は長期化する傾向にあり、1998年に平均20年10カ月だったのが、07年には同31年10カ月となった。これに伴い、無期刑を受けて仮釈放された人数は98年の18人が、07年は3人にまで減っている。

「終身刑」議連発足 「死刑是非」避け結集 法相発言など契機 法務省は慎重、課題山積

2008年5月16日掲載)

 「終身刑」をめぐる議論が加速し始めた。15日始動した議員連盟「量刑制度を考える超党派の会」には、死刑制度存置派と廃止派が結集。1年後の裁判員制度導入前に“突貫工事”で結論を出す構えだ。背景には、死刑判決が注目された山口県光市の母子殺害事件や、鳩山邦夫法相の「ベルトコンベヤー式死刑執行」発言の余波もあった。ただ、実現へのハードルは決して低くない。
 
 「無期懲役は20年ぐらいで出所する、だから死刑だとすると、あまりに量刑の差がありすぎる」「ずぶの素人である市民が、わずか3日程度の評議で重い決断ができるのか」−。終身刑創設を求める声が次々と上がった15日の同議連総会。最後に、平沢勝栄事務局長(自民党)は念を押した。「死刑制度の是非は大きな問題だから、ここではやらない」
 ある議員は「死刑制度をめぐる議論は、選挙のことを考えると怖くてタブーだった」と打ち明ける。2004年の内閣府世論調査で8割以上が死刑制度を容認するなど、厳罰化を求める世論動向は明らかだったからだ。
 今回の議連はあえて死刑存廃論を避けた。首相経験者や派閥領袖級も加わるなど、死刑存置派が多い自民党内の支持の広がりがうかがえる。
   ■   ■
 なぜ立場を超えた結集が実現したのか。転機の1つは昨年9月の鳩山法相の発言だった。「ベルトコンベヤーと言ってはいけないが、自動的に、客観的に(死刑執行が)進むような方法を考えてはどうか」。従来、国会開会中には控えてきた死刑執行にも鳩山氏は署名。死刑をめぐる論議が活発化する契機となった。
 さらに今年4月末、光市事件の差し戻し審で元少年に死刑判決が出され、死刑適用の基準がクローズアップされた。
 「死刑と無期懲役の間に刑があれば、と思ったことは一度や二度ではない」。九州のある裁判官は打ち明ける。
 「プロ」ではない市民はなおさらだ。3月末の世論調査では裁判員に消極的な人が7割以上。死刑など重い判断を迫られることへの抵抗感があるのは明らか。裁判員制度への危機感に加え、「終身刑創設を死刑廃止の足掛かりにしたい」という廃止派の思惑も絡み、流れが一気にできた形だ。
   ■   ■
 ただ、法務省は「一生拘禁すると人格破壊を招く恐れもある」(刑事局)として、今のところ終身刑には慎重な立場だ。矯正を柱にすえる刑事政策の転換にもつながるからだ。収容施設などの経費増も問題となる。
 総会では「国が死を科すということの是非を議論せずに結論は出せない」という批判的な意見も出た。廃止派の一部には「終身刑は無期懲役の厳罰化にすぎない」という懸念もある。終身刑と恩赦の関係をどうするかなどの課題に短期間で答えが出せるのか。議連幹部は言う。「普通なら5年はかかる話だ」 (東京報道部・相本康1)

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