漢字使用の目安となる常用漢字表の見直しを進めている文化審議会国語分科会の漢字小委員会は21日、追加候補の191字に適用する音・訓読みの原案をまとめた。現行の常用漢字についても音・訓読みの見直し案をまとめ「混(こ)む」など34例を追加する案を示した。191字では「梨(なし)」を「り」と読むことや「顎(あご)」を「がく」と読むことなどは常用漢字表外とするとした。表に示す使用例についても大筋で合意したが、一部の漢字ではさらに調整する。
現行表については「私」の読みに「わたし」を追加し、現行の「わたくし」も残す。「委(ゆだ)ねる」「育(はぐく)む」「応(こた)える」なども追加する。「疲(つか)らす」は削除する。
また「混(こ)む」の使用例に「混み合う、人混み」を掲げ、現行表の「込(こ)む」の使用例から「人込み」を削除する。ただし「混む」の備考欄で「込み合う、人込み」という使い方も認められることを注記する。同小委はさらに字体などを検討し、09年1月の国語分科会に見直しの原案を提示する。【加藤隆寛】
毎日新聞 2008年10月22日 東京朝刊