財政出動は可能だが規律も重視=金融サミットで中川財務相

2008年 11月 16日 10:51 JST
 
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 [ワシントン 15日 ロイター] 中川昭一財務相兼金融担当相は15日、ワシントンで開催された緊急首脳会合(金融サミット)終了後に記者団に対し、首脳宣言に内需刺激策として財政政策を活用することが盛り込まれたことについて「財政を出動しようと思えばできるが、自ずと規律というものがある」と述べ、財政規律を重視しながら対策を実行していく考えを示した。

 また、フランスのサルコジ大統領が次回の金融サミットがロンドンで開催される可能性があると発言したことに関して「何も決まっていない」と否定。麻生太郎首相は次回会合の開催国として、日本がふさわしいとの考えを示している。

 金融サミットの首脳宣言では、金融危機克服や世界経済の成長回復のためにとるべき措置の一つとして「財政の持続可能性の維持に資する政策枠組みを確保しつつ、状況に応じ、即効的な内需刺激の財政政策を活用」との文言を盛り込んだ。

 これに対して中川財務・金融相は「財政を出動しようと思えばできるが、自ずと規律というものがある」としながら、「暮らしや経済を守るため、最初から財政を例外にすべきとの意識はこの中(会議)ではなかった」ことを明らかにした。

 また、サミットの評価に関して中川財務・金融相は、当初は金融危機の震源地となった先進国と新興国との間の感情的な問題から宣言がまとまらない可能性を危ぐしていたとの心境を語った上で「皆でこの危機を乗り越えようとのコンセンサスの下で宣言、行動計画ができた。中身があるものができたことは、決裂どころか成功だ」と胸を張った。

 特に、麻生首相が国際通貨基金(IMF)への融資などについて「具体的な数字をもって貢献することを宣言した。これはG20の中で日本だけだ。(首相提案の)すべてが宣言と行動計画に盛り込まれている」と強調し、会合後には複数の国の首脳が麻生首相の具体的な提案に対して謝意を示したという。

 
 
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