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警官の拳銃自殺、今年すでに9人 「弱音吐けぬ」指摘も(1/2ページ)

2008年11月16日7時58分

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 拳銃で自殺する警察官が今年すでに9人に達し、過去10年の年間最多人数と並んだ。動機は、職場の人間関係や病気、家族の問題などで、専門家は「ストレスをためやすい職業」とみる。警察庁は、事前に事情を把握していれば防げたケースもあるとみており、全国の警察本部に再発防止を指示した。

 栃木県警真岡署の巡査長(当時27)は2月、勤務先の交番内で頭を撃った。残されたメモには「親身に相談に乗ってもらったのに申し訳ない」とあった。家族のことで上司は相談を受けていた。同じ交番では昨年12月にも巡査(当時23)が拳銃自殺しており、警察幹部は「目配りに抜かりはなかったか」と悔やむ。

 神奈川県警加賀町署の巡査部長(当時51)は3年前から体調不良を訴えていた。今年2月に通常勤務に戻ったが、拳銃携帯は許されなかった。約2カ月後、再び携帯を認められたその日に自殺した。

 ある警察本部の警察官は2年前、別の警察本部に勤める息子を拳銃自殺で亡くしていた。息子のことで悩んでいた、と自殺後にわかった。

 拳銃自殺を警察庁が深刻にとらえる理由は、目的外使用だけではない。守るべき市民を殺傷しかねないうえ、自殺場所が屋外だと拳銃を奪われる可能性もあるからだ。

 警察庁は、97年から昨年半ばまでにあった拳銃自殺54件の動機を調べた。職場の人間関係など仕事がらみが19件、健康不安や家庭問題など私生活がらみが13件、不明19件、その他3件だった。仕事と私生活の32件は防げた可能性がある、と担当者はいう。

 これらを受けて警察庁は10月下旬、拳銃自殺防止に絞った異例の通達を出した。拳銃自殺は銃刀法違反など重大犯罪と認識せよ▽身上把握に努め、精神的に不安定な警察官を拳銃不要な持ち場へ▽再び持たせる場合は複数の幹部が判断を、との内容だ。

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