おれたちは家族 / 大原健志郎
出版事項 : 朝日新聞社 1989
病名 : 小腸肉腫
闘病者性別 :
闘病者職業 : 主婦
闘病時年齢 : 40歳台 50歳台
内容 : がんで妻を亡くした精神神経学者が、妻の思い出、残された長男との生活をエッセイ風に書く。

手術して5年目に再発、後2年後に死亡。

「妻が再発して現在に至るまで、私は折あるごとにエッセイを書いてきた。愛する妻のことをいつまでも記録に残しておいてやりたいという気持ちもあった。書くことによって、救われたいという気持ちもあった。そしてもう一つ、その時に、自分の赤裸々な心理を記録しておくことによって、「生と死」を巡る自分の心理の水位を科学的に分析できるのではないか」(p.6-7)

「私は折にふれてエッセイを書いた。その時の気持ちを赤裸々に書くことによって、自分の心がなごみ、何か憩いがかなえられるような気がした。妻のことをしっかり記録しておいてやりたい。エッセイを書くことにより、永久に私の記憶に残るのだ、という気持ちと、それとは反対に、エッセイを書くことによって、妻のことを忘れることが出来る、という相反する二つの心が錯綜した。」(p.139)

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