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【主張】海の守り 周辺の海軍力増強に目を

2008.11.16 02:19
このニュースのトピックス主張

 日本近海で最近、中国やロシアなどの軍艦が活発に活動している。中国艦隊は先月と今月、太平洋側でこれまでにない示威活動を展開した。

 日本としては海上交通路(シーレーン)の安全、さらには海洋権益への影響などを注視し、毅然(きぜん)とした対応を取らなければならない。

 周辺諸国の海軍力増強に対し、日本の海の守りが万全なのかも点検を怠ってはなるまい。

 11月2日、沖縄本島の北西沖の東シナ海で中国海軍のルージョウ級ミサイル駆逐艦など4隻が南東進して太平洋に出た。最新鋭のルージョウ級を海上自衛隊が視認したのは初のケースだ。10月20日にはソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦など4隻の艦隊が、日本海から津軽海峡を通り抜け、太平洋を南下して帰国した。中国戦闘艦の津軽海峡通過は初めてである。

 相次いで最新鋭艦を西太平洋で活動させたのは、中国の近海ではなく、より遠方の海域においても作戦を遂行する能力があることを誇示するためとみられる。公海上だが、日本への政治的威嚇の意味もある。だが、日本政府は不快感の表明すらしていない。残念としかいいようがない。

 10月には東シナ海で中国潜水艦2隻が米原子力空母ジョージ・ワシントンを待ち伏せているのを海自機が探知している。2年前には中国の攻撃型潜水艦が沖縄近海で米空母を追尾し、約8キロの魚雷射程圏内で海上に浮上した。今回も原子力空母のデータ収集や示威行動を行おうとしたようだが、空母は迂回(うかい)した。偶発的な事件が起こりうることを示している。

 9月には高知県沖の領海内で国籍不明の潜望鏡らしきものが海自によって発見された。他国の潜水艦が領海内を遊弋(ゆうよく)するような状況になっているのだろうか。

 一方、ロシア海軍は近年、原潜のパトロールを再開した。11月8日、ウラジオストク近くで試験航行中だったアクラ級原潜で乗組員20人が死亡した事故も訓練と無関係ではない。直前の2日には北海道・宗谷岬沖の日本海をロシアの巡航ミサイル搭載のオスカーII級原潜など3隻が航行している。

 周辺諸国がそろって海軍力などを強化する中、日本だけが防衛力を縮小している。これで日本の平和は守れるのか。政治は内向きな抗争に走るばかりでなく、安全保障が脅かされていることにもっと目を向けてほしい。

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