2006年02月09日
小泉首相の見解を断固支持する！
［東京 ８日 ロイター］小泉首相は８日、人口減少などに伴う労働力不足を補うために外国人労働者を安易に受け入れることは慎重に考える必要があると述べた。衆院予算委員会で、坂口力委員（公明）の質問に答えた。
小泉首相は「労働力が足りないから外国人を入れればよいという議論がよく出てくる。ある程度、外国人労働者を入れるのは一つの時代の流れだが、一定の規模、外国人労働者が増えると必ず衝突が起こる」と指摘。
一挙に開放した場合は「労働力はよくても、衝突が起こって犯罪が多くなっては元も子もない」とし、「安易にどんどん受け入れることで労働力の不足を補うことは、慎重に考える必要がある」と語った。（ロイター） - 2月8日11時56分更新
戦後の宰相として、ここまで外国人労働者問題に踏み込んで慎重姿勢を示した人はおそらく小泉純一郎首相を置いて他にいないであろう。
逆に導入を推進する立場であっても故・小渕首相（当時）が私的な諮問機関での議題に盛り込むのがやっとだった。それだけに国会で外国人労働者導入に関する議題に及び、首相が慎重姿勢を示したのは特筆すべき事項である。
東京都の石原慎太郎知事はかねがね移民政策の推進を提唱してやまず、議員時代から国会で一度として議題に上らなかったことを強く批判していたが、小泉首相が公の場で示した見解によって一応の審判が下されたと見て良いのではないか。
ライオンの如く豪腕を振るい、時には老獪な権謀策術によって構造改革を進める一方、アメリカ的なダイナミズムに走ることなく、外国人労働者問題に対する姿勢に見られる安定感こそが、小泉首相が広く、長く支持される所以でもあるのだろう。
ここで注目すべきは小泉首相が「労働力はよくても…」と述べた点だ。国家社会の発展においては治安・秩序が保たれていることは必須条件であることは言うまでもないが、こと労働面においても社会が補うコストの増大、外国人が増加することによる社会形態の変質とそれによって生じるロスは相当な負担になることは常々識者が指摘してきた通りだ。また、外国人への配慮から雇用機会の均等なども講じざるを得ないだろうが、結果的に外国人労働者を優遇することに終始し、切り捨てられた側の日本人との職の奪い合いは凄惨を極めるだろう。労働面の危機と治安面の危機は切り離せない。さらに教育においても各民族教育の実施などで相当な打撃を被るとされる。
まさしく移民は「百害あって一利なし」なのだが、その言葉で思いが至るのはタバコだ。移民とタバコは同列には論じられないが、おおよそ身体にとって益をもたらす点は皆無と言われるタバコが依然として人々に嗜まれるにはタバコが健康面のみで論じられるものではなく、一つの文化として根付いた証左であるからだろう。
他方、我が国にはアメリカ合衆国のように多民族・多人種が混在するような風土は無く、百害ありを百も承知の上で開国に踏み切る理由はないはずだ。タバコについてもアメリカ合衆国に追随する形で排除する方向にあるようだが、ここはアメリカ合衆国ではない。
【有門大輔】
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