MENU

RANKING

モバZAKのご案内

iモード、EZweb、Yahoo!ケータイで大好評配信中

社会ホーム > 社会 > 記事詳細

  • イザ!ブックマーク
  • はてなブックマーク
  • livedoorクリップ
  • ブックマークに追加する

トヨタ・奥田氏、厚労省叩きに“公私混同”の報復発言

 「マスコミの厚生労働省たたきは異常。(トヨタとしてマスコミの)スポンサーを降りようかとも思う」−。政府の有識者会議「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」の座長を務めるトヨタ自動車元会長の奥田碩(ひろし)相談役(75)が、厚労省批判を強めるマスコミから自社の広告引き揚げをチラつかせ、波紋を広げている。とんだ「報復発言」は尾を引きそうだ。

 懇談会は12日に首相官邸で開かれた。奥田氏は「個人的な意見だが、本当に腹が立っている」と切り出し「新聞もそうだけど、特にテレビが朝から晩まで、名前を言うとまずいから言わないけど、2、3人のやつが出てきて、年金の話とか厚労省に関する問題についてわんわんやっている」と不快感をあらわにした。

 矛先はテレビのワイドショーなどに向けられたとみられ、「あれだけ厚労省がたたかれるのはちょっと異常。何か報復でもしてやろうか。例えばスポンサーにならないとかね」とまくし立てた。

 懇談会委員の浅野史郎・前宮城県知事が「マスコミは批判するために存在している。スポンサーを降りるというのは言い過ぎ」ととりなしたが、奥田氏は「(マスコミの)編集権に経営者は介入できないといわれるが、本当はやり方がある」と譲らなかった。

 奥田氏は懇談会後も記者団に「批判はいいが、毎日、朝から晩までやられたら国民だって洗脳されてしまう」とぶちまけるなど、怒りは収まらなかったようだ。

 懇談会は、消えた年金問題や薬害肝炎問題などで国民の不信を招いた厚労行政の改革を議論するため8月に設置された。

 奥田氏は日本が金融危機に直面していた2001年、海外メディアに対して、「大手銀行4行のうち2行は脆弱(ぜいじやく)」として、1行は国有化の可能性があることを示唆。銀行株が急落したことがあった。

 日本経団連会長だった04年には、BSE(狂牛病)問題で吉野家が牛丼販売を休止した際の報道について「(牛丼がなくても)死ぬわけでない。日本人は右から左へ早くふれやすい単純な国民だと感じた」と発言。06年には、格差社会について「差を付けられた方が凍死したり餓死したりはしていない。あまりに勝ち組、負け組と言いたがるのがそもそもの間違い」と語るなど、歯にきぬ着せぬ物言いが度々波紋を呼んでいる。

 奥田氏のゴーマン報復発言について、明治大学政治経済学部の高木勝教授は「年金問題などで厚労省がたたかれるのは当然のこと。なのにトヨタの広告引き揚げを持ち出すのは、公私混同もはなはだしいし、おごりがすぎる。テレビなどの背後には何千万人もの視聴者がいることを忘れてはならない」と話している。

ZAKZAK 2008/11/13

社会ニュース

もっと見る