西日本新聞

緒形拳さんの死を惜しむ 「飾り気のない気さくな人」 「間近で見て存在感感じた」

2008年10月8日 01:43 カテゴリー:文化 九州・山口 > 福岡
「復讐するは我にあり」で主演した緒形拳さん

 5日死去した俳優の緒形拳さん=享年(71)=が、日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した映画「復讐するは我にあり」(1979年)のロケ地行橋市では、当時エキストラで参加した人たちが追悼の言葉を送った。

 「復讐するは我にあり」は現在、北九州市立文学館館長・佐木隆三さんの小説で、5人を殺害した西口彰事件を題材に映画化された。行橋市や苅田町、香春町では78年11月にロケがあり、一般からエキストラを募集し多くの人が警察官や群集役で出演。翌年、公開されると市内の映画館は超満員だったという。

 当時、行橋市の広報担当として約2週間、ロケに同行した市文化振興公社の光畑浩治理事(61)は「緒形さんは飾り気のない気さくな人でした。時間が空くとマージャンする? と誘ってもらった」と人柄を語った。

 ただ、撮影に入ると「顔つきが変わった」。「他の俳優が方言指導を受ける中、今村昌平監督が緒形君は本物の役者だから必要ない、と言ったことが印象に残っている。最後まですごい役者さんでした」と懐かしんだ。

 パトカーの運転手役などで出演した末松克郎市生涯学習係長(54)は「共演のフランキー堺さんから『緒方さんは完ぺきな演技をする役者。黒い傘に赤い傘が交じっていると雰囲気がでない、と撮影をやり直した』と聞いた」と証言した。

 緒形さん演じる主役を連行する刑事役だった市環境課嘱託の黒瀬高彦さん(60)は「間近で見て存在感を感じた。ファンの1人として残念です」と惜しんだ。

 映画の原作者・佐木隆三さんも旅館の客役で1分間出演した。緒形さんに冗談で「佐木さんは役者には向いていませんね」と言われ、「当たり前です。だから作家になったんです」と応じ、周囲を笑わせた思い出があると振り返った。

=2008/10/08付 西日本新聞朝刊=

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