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ノリタケ 中間期初の赤字 食器事業リストラ響く

下期 200人追加削減

 ノリタケカンパニーリミテドが11日発表した2008年9月中間連結決算は、不採算の食器事業などのリストラに伴う特別損失32億円を計上したため、中間期として初めて税引き後赤字に転落した。下半期も食器事業のリストラは継続する方針で、国内外の食器事業従業員の1割にあたる約200人を追加削減する方針だ。

 売上高は、太陽電池パネルや電子基板などの材料となる電子ペースト部門が堅調で、前年同期比1・2%増の668億円と、過去最高を更新した。しかし、北米の百貨店や大型専門店向けの食器事業の不振と、電子事業では工事現場などで使う蛍光表示管が液晶や発光ダイオード(LED)に置き代わったことなどから、営業利益、経常利益とも減益だった。食器、電子事業事業の生産を一部停止し、従業員約240人が希望退職したことに伴う特別退職金などを特別損失に計上したため、税引き後利益は7億円の赤字に転落した。

 名古屋証券取引所で記者会見した種村均社長は、赤字転落の理由について、フィリピンの食器工場の閉鎖や、夜須事業所(福岡県筑前町)で蛍光表示管の生産を停止するなど、「不採算事業のリストラに踏み切ったため」と述べ、事業の「選択と集中」を進めた結果だと強調した。

 下期に実施する追加の人員削減は、国内唯一の陶磁器製造拠点の伊万里工場(佐賀県伊万里市)の従業員や、百貨店の販売員などが、主な対象となる。伊万里工場は、ノリタケが進める高級ブランド化の一環で、利幅が薄い低価格帯の食器の製造は海外に移管し、生産数量は少ないが単価が高い高級食器に特化するためだ。百貨店は、「ノリタケが負担している販売員の人件費が高く、収支が悪化している」(種村社長)ため、一部の店舗から撤退する方向だ。


2008年11月12日  読売新聞)
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