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松田優作 知られざる素顔 前妻・美智子さん、評伝出版 (1/2ページ)

2008.2.3 11:33
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松田美智子さん松田美智子さん

 平成元年11月6日、松田優作は逝った。39歳だった。20回忌を迎える今年、優作の前妻で、ノンフィクション作家として活躍する松田美智子さんが『越境者 松田優作』(新潮社)を刊行した。「前妻」というアドバンテージに満足することなく、無名時代から親交のある、生身の優作を知る人々を訪ね歩く旅のすえに書き上げた評伝である。

 ふたりが出会ったのは金子信雄さんが主宰する「新演劇人クラブ・マールイ」。昭和46年5月上旬のことだった。松田さんはこう記す。

 《このときの私たちは二十一歳。貧しく、無名で、ただ希望だけが大きい若者だった》

 間もなく同棲(どうせい)を始めたふたりは50年9月21日、優作の26歳の誕生日に入籍し、長女が誕生する。しかし優作の心はテレビドラマ「探偵物語」(54年)で共演した熊谷美由紀さんに傾き、ふたりは56年暮れに離婚した。

 「優作を突き放して見るためには、20年近い時間が必要だった。これで区切りをつけることができたと思います。今後、優作について書くことはおそらくないでしょう」と松田さんは話す。

 「突き放した目」とは言い換えれば「容赦ない目」でもあろう。松田さんは、事実と証言を丹念に積み重ねながら優作の航跡を描いてゆく。 

                  ◆◇◆

 優作が、在日韓国人女性の私生児として生まれたということは、すでによく知られた事実。しかし、出自にまつわる深い苦悩は、ともに暮らした松田さんでなければ描けないものだろう。

 テレビドラマ「太陽にほえろ!」でスターとなった優作が48年に書いた帰化の動機書を読み、松田さんは《私は泣き出しそうになった》と書く。そこにはこうあった。

 《僕は今年の七月から日本テレビの『太陽にほえろ!』という人気番組にレギュラーで出演しています。視聴者は子供から大人までと幅広く、家族で楽しめる番組です。(略)もし、僕が在日韓国人であることがわかったら、みなさんが、失望すると思います。特に子供たちは夢を裏切られた気持ちになるでしょう》

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松田美智子さん
松田美智子さんが刊行した「越境者 松田優作」
松田優作
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