【ソウル西脇真一】戦前に朝鮮の李王家が収集した近代日本西洋画約40点の展示会が韓国国立中央博物館(ソウル)で18日から始まり、日本を代表する洋画家、小磯良平の幻の作品とされる「日本髪の娘」も展示される。1945年の解放後、これまで日本画などの展示は行われたことはあるが、西洋画は初めて。
「日本髪の娘」は1935年に日本で発表された後、李王家が購入。徳寿宮にあった王家美術館で公開されたほか、美術雑誌などにも紹介された。
韓国が植民地支配から解放された後、ほかのコレクションとともに中央博物館に移されたが、韓国内の激しい対日感情などから、収蔵庫に眠ったままになり、文献で知られるだけだった。このため、日本では行方不明とされていた。
神戸市立小磯記念美術館の廣田生馬学芸員は「伝統的な西洋画の技術に基づいた堅実な作品で、当時の画風を良く表している」と話している。
毎日新聞 2008年11月14日 11時28分(最終更新 11月14日 13時47分)