飼い犬のミニチュアダックスフントが死んだのは、獣医師が気管にビニール袋を詰め込んだためだとして、東京都八王子市のアルバイト女性(26)が多摩センター動物病院(多摩市)の鳥吉英伸院長(41)に約230万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は14日、慰謝料など約115万円の支払いを命じた。村田渉裁判長は「健康だった犬の気管に異物を詰めており、極めて悪質で言語道断の行為だ」と非難した。
判決によると、女性は06年7月、同病院に検査入院を勧められて犬を預けたところ、約3時間後に死んだと連絡を受けた。「肺炎を起こしていた」と説明されたが、別の病院の獣医師による解剖で気管内からビニール袋が見つかった。鳥吉院長は「そんな犬は診察していない」などと主張していたが、同病院は実質閉鎖されており、判決へのコメントは出ていない。
原告女性は記者会見で「ものすごいショックを受けた。獣医師である以前に人として許せない」と悔しさをにじませた。鳥吉院長は別の民事裁判でも「体内に異物があり手術しないと死ぬ」とうそを言い、ずさんな手術をしたことが認められて、今年5月に国から業務停止3年の処分を受けている。女性の代理人の弁護士は「被害者は200人以上把握している。獣医師免許はく奪を求めたい」と話している。【銭場裕司】
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