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社説

前空幕長招致 文民統制は形ばかりか(11月12日)

 「いささかも間違っているとは思わない」

 民間の懸賞論文で侵略と植民地支配の歴史を正当化する自説を展開し、更迭された防衛省の田母神(たもがみ)俊雄前航空幕僚長が参院の外交防衛委員会で参考人招致された。

 与野党の質問に対し、自分の歴史観の正しさを主張した。あくまで自説に固執し、反省の色さえ見せない態度には驚かされる。

 浜田靖一防衛相は、過去の侵略などを認める政府見解と異なる論文を発表した行為は「極めて不適切」だと更迭の理由を述べた。

 だが、この日の質疑を聞く限り、なぜ職を解かれたのか、本人はまるで理解していないようだ。

 防衛省側も、なぜ更迭したのか明確に説明できたとは言い難い。

 前空幕長は、昨年五月に隊内誌に今回の論文と同趣旨の文章を発表している。この時は問題にならず、どうして今回は処分に発展したのか。

 こう野党に質問され、防衛相は「ダブルスタンダード(二重基準)」だったと、判断基準のあいまいさを認めざるを得なかった。

 一度は検討した懲戒処分を見送った理由も納得できるものではない。

 防衛相によると、前空幕長が審理手続きで争う姿勢を見せたため、結論が出るには時間がかかると考えて早期退職に切り替えたのだという。

 しかし、ことの重大性から見て、懲戒という形で処分するのが筋だったろう。

 危惧(きぐ)するのは、自衛隊運用の根本となるべき文民統制が形骸(けいがい)化していることである。

 前空幕長は論文提出について、自衛官にも言論の自由はあると反論した。自衛隊という実力組織を指揮する、自分の立場への認識を欠いているのではないか。

 論文募集に応募するよう隊内で指示したことはないと否定した際、「私が指示すれば千人を超える数が集まる」と豪語した。そうした影響力を自任していたのであれば、自らの言動をもっと戒めるべきだった。

 文民統制を強化するなら「自衛隊は動けなくなる」と批判し、憲法改正を明言した。委員会終了後には、侵略と植民地支配を認めた村山首相談話は「言論弾圧の道具だ」とまでエスカレートさせている。

 自衛隊の一部には、こうした発言を容認する空気があるとも聞く。そうなれば前空幕長一人の問題では済まなくなる。

 最高指揮官である麻生太郎首相はこの問題をどう考えるか。憲法観、歴史認識と合わせて聞きたい。

 野党は参院で文民統制に関する集中審議を求めている。首相も出席し、さらに徹底した論議が必要だ。

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