政局2008
経済激変で解散先送りに
【社会】病院間で救急搬送調整 都、地域ごとにセンター2008年11月15日 朝刊 救急患者の搬送先探しが難航する事態を改善するため、東京都は、地域ごとに病院間の搬送調整を担う「地域救急センター」を創設する方針を固めた。医師や空きベッド数などの情報を地域内で共有し、搬送先がなかなか決まらない事態に備え、応急的にどこかの病院で受け入れられるよう調整する仕組みづくりが狙いだ。 都の「救急医療対策協議会」が今月内にまとめる最終報告を踏まえ、関連経費を来年度予算に盛り込む考え。都内を十二の地域に分け、入院・手術が必要な患者を受け入れる「二次救急医療機関」の中から、二カ所ずつ計二十四病院を指定する。 東京消防庁によると、都内で二〇〇七年度に▽救急患者の搬送先決定に三十分以上かかった▽四カ所以上に受け入れを断られたケースが、搬送件数全体の6・6%、四万三百八十五件に上った。 協議会は改善策として、救急医療の「東京ルール」を新たに検討。救急患者を迅速に搬送するため、▽一時的に受け入れて応急的な医療を提供後、必要に応じてほかの病院に転送▽地域内の病院ネットワークの構築−などの必要性を提言した。 要となる地域救急センターは、地域内調整や情報の共有化を促すほか、ほかの病院では対応が困難な患者を自ら受け入れる役割も担ってもらう。複数地域にまたがるケースを想定し、受け入れを地域間で調整するコーディネーターも、東京消防庁指令室に配置する。 同協議会長の島崎修次・杏林大医学部教授は「救急医療の崩壊と再生の縮図の一つで、全国のモデルケースになると思う」と話している。
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