急患の搬送先が長い時間決まらない事態を防ぐため、東京都は09年度、消防に代わって搬送先を探す2次救急病院「地域救急センター」を都内12医療圏に2カ所ずつ置く方針を決めた。東京消防庁の司令室に救急救命士らコーディネーターを常駐させ、広域で調整する仕組みもつくる。
都内で119番通報があると、救急隊が現場到着後、救急車から搬送先を探す。重症者や時間がかかる場合は、東京消防庁も搬送先探しに加わる。しかし、都内で07年4〜12月に搬送された約46万件のうち、2万9千件は搬送先が決まるまで30分以上かかったり、5医療機関以上に連絡したりしていたという。
新しい仕組みでは、搬送先決定が難航しそうなとき、救急隊が都が指定した地域救急センターに連絡、センターは地域内で搬送先を探したり、自ら受け入れたりする。
また、東京消防庁が受け入れ可能な救急病院を探すために使っていたシステムも、救急病院に置く。
それでも搬送先が見つからない場合、東京消防庁の司令室にコーディネーターとして常駐する救急救命士らが他地域のセンターと調整。応急処置の後、他の医療機関に転送する仕組みの導入も目指す。
今回は一般の救急搬送が対象。妊婦の搬送は、従来通り総合周産期母子医療センターが搬送調整を担う。