[パキスタン]朝日新聞記者ら２人が銃撃され負傷

　パキスタン北西辺境州の州都ペシャワル近郊で１４日午後１時１０分（日本時間同５時１０分）ごろ、朝日新聞イスラマバード支局長の四倉幹木（よつくらもとき）さん（３９）と、同行していた現地助手の計２人が武装集団に銃撃され負傷した。朝日新聞広報部によると、四倉さんは右足ひざ下に１発、助手は左肩に２発の銃弾を受けたが、地元の病院で応急措置を受け、２人とも命に別条はないという。

　朝日新聞広報部の話では、四倉さんは助手らとともに武装勢力タリバン関係者を取材するため、アフガン国境に近いペシャワルのハヤタバード地区に移動。路上に停車中、男４人組の武装集団に襲撃された。別の車に乗っていた助手によると、武装集団のうちの１人が車のフロントガラス越しに３発発砲して逃走したという。四倉さんは応急措置を受けた後、イスラマバードの病院に移動、アフガン人助手は現地の病院に入院した。

　現場付近では、９月下旬にアフガン領事が拉致され、今月１３日にもイラン人外交官が武装グループに拉致された。また同州バヌーでは１３日、カナダ人女性記者が拉致されるなど、外国人を狙った拉致事件が多発している。

　０２年以降、パキスタンで日本人記者が武装勢力の被害に遭ったのは、今年３月、首都イスラマバードのレストランでの爆破事件で共同通信記者らが軽傷を負ったのに次いで２件目。【川上克己、ニューデリー栗田慎一】