「日米の株価はジェットコースター」。本紙ちまた欄「時事せんりゅう 10月の秀吟」に載っていた倉敷市・鳥越実さんの作だ。
米国発の金融不安で株価が暴落し、その後乱高下が続く。まさにジェットコースターのような激しい値動きである。影響は株を保有していない家庭にも及んできた。収入減、物価高などの不安が募る。経済の急変によって人々はジェットコースターにしがみつき、悲鳴を上げている。
消費者の生活防衛意識が一段と高まる。化学メーカー・クラレが九月、関東、関西地区の主婦五百人を対象に行った「わが家の物価高対策」アンケート結果を見ると、家計を守るための涙ぐましい努力が伝わってくる。切り詰めで突出していたのが食費だった。
お買い得情報の入手も怠らない。情報源は新聞チラシが64・2%と最も多く、以下インターネット31・8%、口コミ12・2%の順。新聞チラシはベテラン主婦に圧倒的に重宝されていたが、二十代利用も42・1%に上った。
記述式による他人に教えたい「わが家流の節約術」には「迷ったら買わない決心で買い物をする」のほか「休みの日はノーメークで過ごす」といったものもあった。我慢が強いられる。
暴走するジェットコースターはいつ止まるのか。生活防衛にも限度がある。