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個人の生活や空間を尊重しない韓国人(上)

【特集】外国人が暮らしにくい国・韓国

今年1月、ソウル・明洞の露店で、米国人のサラ・ファイアボウさん(24)が靴下を選んでいたとき、横にいた韓国人女性がファイアボウさんの肩の下から腕を伸ばして売り物を取った。ファイアボウさんは「韓国人はぶつかっても謝らなかったり、無言で割り込んできたりすることが多い」と話している。/写真=ホ・ヨンハン記者

 カナダ人の英語講師デービッド・カバナフさん(34)は、ソウル市道峰区の自宅近くにあるフィットネスクラブで毎朝汗を流し、シャワーを浴びてから出勤するが、そのたびに屈辱を感じるという。隣でシャワーを浴びる韓国人たちが、決まって彼をジロジロ見るためだ。ある人は彼の下半身の特定の部分を興味津々な様子で見るという。彼は「どれだけ恥ずかしく、居心地が悪いことか。まるで動物園のサルになったような気分だ」と話す。

 フランス人の主婦アポリン・キャロルさん(38)は、韓国人たちが7歳の娘と2歳の息子に近付いてきては、「かわいい」と言って、頬や頭をむやみに撫でるのを見るたびに、不快感を感じるという。2年前には病院の待合室で、患者と思われる女性が生後4カ月の息子の顔を撫でるのを見て戸惑ったという。彼女は「悪気はないのだろうし、それが韓国の文化なのだろうとは思うが、わたしはそれを見るたびに不快感を感じる。大人の女性に対しては、いくらかわいくても撫でたりはしないはずだ。それと同じで、子どもにも人格があるのだから、むやみに撫でたりしてほしくないと思う」と話している。

◆「他人への配慮をしてほしい」 

 韓国では当たり前のこと、ごく普通のことのように思われている行動や言動であっても、世界的な基準から見れば失礼に当たることもある。韓国人が他人のことをあまり認識しなかったり、配慮しないがために、こうした行動や言動がトラブルを招くことがある。取材班がインタビューした50人ほどの外国人たちは「韓国人の中には、“自分にとって慣れていて楽なものであれば、他人もすぐに慣れるだろう”と考えている人たちが多いようだ」と指摘した。

 カナダ人のフリーライター、ピーター・チョウラさんは、外出するたびにサンドイッチや弁当を持ち歩くようにしている。韓国の食堂で食事するたび、押し問答になるのが嫌になったからだ。菜食主義者(ベジタリアン)の彼は昨年秋、ソウル・光化門のある食堂でビビンバを注文した際、牛肉と卵を入れないよう頼んだ。ところが、彼をあざ笑うかのように、ビビンバには牛肉と卵が入っていた。食堂の従業員は「忙しくてうっかり忘れてしまった。でもビビンバには牛肉と卵を入れた方が美味しいんだから、そのまま食べなさいよ」と言ったのだ。

 在韓米軍兵士のブランドン・テーラーさん(23)は、食堂から追い出されたこともある。昨年、京畿道平沢市のある食堂でチャーハンを注文し、「卵は入れないで」と頼んだが、やはり卵が入っていた。そこで彼は、「米国の流儀で、“作り直してくれ”と頼んだが、店の主人の対応は意外なものだった。店の主人は「朝っぱらから何てことを言うんだ」と言い放ち、彼に出て行くよう命じた上、入口の前には塩まで撒いたという。テーラーさんは「あまりにも人をバカにした態度だった。その日は一日中気分が悪かった」と話した。

 外国人の中には、豚肉を食べないイスラム教徒や牛肉を食べないヒンズー教徒など、宗教上の理由で肉を食べない人たちや、自らの信念に従って菜食主義を貫いている人たちも少なくない。米国や欧州では人口の約1%がベジタリアンだという。だが、韓国では彼らに対する配慮や理解が足りない、と指摘する外国人が多い。オーストラリア人のベジタリアン、イレイン・ローリーさん(39)は「韓国人がもう少し“自分たちと違った考えを持つ人もいる”という意識を持ってくれたらと思う」と話す。

リュ・ジョン記者

キム・ヨンジュ記者

ビョン・ヒウォン記者

キム・ジンミョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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