アジア・オセアニア

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パキスタン:国境地域は無法地帯化…朝日記者らを銃撃

 【ニューデリー栗田慎一】アフガニスタン国境に近いパキスタン北西部ペシャワル近郊の路上で14日、朝日新聞イスラマバード支局長の四倉幹木(よつくらもとき)さん(39)らが銃撃された事件は、同国の治安が極度に悪化している現状を示した。米軍による国境沿いの部族支配地域への越境ミサイル攻撃が続く中、武装勢力や犯罪集団が外国人らを狙った暗殺や拉致事件などを繰り返している。パキスタン国境地域はアフガンと同様に無法地帯化しつつある。

 治安当局は、四倉さんが乗った車が何者かの追跡を受けていたとの目撃証言から、犯行が拉致目的だった可能性があるとみている。アフガンの旧支配勢力タリバンに近い武装勢力による政治的なテロか、金銭目的かは現時点では不明。ペシャワルでは12日、米系援助団体の米国人幹部が射殺され、13日にはイラン外交官が何者かに拉致されたばかり。

 事件があったペシャワルからアフガン側へ通じる道路は、アフガン駐留米軍など外国軍の燃料や食糧のほか、アフガン国民の生活物資も輸送され、アフガンにとって生命線ともいえる幹線道路。しかし国境のカイバル峠の手前にある部族地域カイバル管区で武装勢力の活動が活発化したことから6月、政府軍が掃討作戦を開始した。

 一時は沈静化したものの、夏以降の米軍による越境ミサイル攻撃激化で武装勢力の活動が再び活発化。今月10日にはアフガンで活動する北大西洋条約機構(NATO)軍向け物資を積んだトレーラー13台や軍用車両が奪われるなど、アフガンへの補給妨害とみられる事件が増えている。

毎日新聞 2008年11月14日 22時08分

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