姉妹都市として行政交流を深めている福岡市と韓国・釜山市は12日、「福岡アジア美術館」と「釜山市立美術館」の相互協力の協定を同日付で結んだと発表した。両美術館は来年から、互いに両館の所蔵品展を開催するほか、学芸員の交流や共同調査にも取り組み、国境を超えた文化事業の連携を緊密にする。
福岡市の吉田宏市長と釜山市の許南植(ホナムシク)市長は10月末に、2009年は両市が行政交流協定を締結して20周年の節目にあたるため、09年を「福岡‐釜山友情年」と定める宣言を発表。今回の美術館連携は、友情年の交流事業の一環。
協力協定を踏まえ、まず釜山市立美術館が、09年秋に福岡アジア美術館の所蔵品展を開催。10年秋には福岡アジア美術館が釜山市立美術館の所蔵品展を開く。具体的な出展物は両市が今後、協議する。
所蔵品展のほか、学芸員の交流▽所蔵品、資料の相互利用の促進を進める。将来的には「両美術館の共同調査や研究、展覧会の巡回、所蔵品の交換など発展的な交流を目指す」としている。
1998年に開館した釜山市立美術館は、現代美術と、釜山と慶尚南道の美術に重点を置く総合美術館。福岡アジア美術館(福岡市博多区下川端町)は99年に開館したアジアの近現代美術の専門美術館。
=2008/11/13付 西日本新聞朝刊=