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南北首脳会談:核問題未解決でも第2の開城工団建設か(下)

◆建設実現へのカギは?

 今年初め、金正日(キム・ジョンイル)総書記は金英逸(キム・ヨンイル)首相や金格植(キム・ギョクシク)朝鮮人民軍総参謀長らを抜てきした。金首相は南浦港開発を成功させた生え抜きの官僚で、金総参謀長は第2軍団長を務めていた際、開城工団に駐屯した北朝鮮軍兵力を後方に下げた人物だ。金総書記も先月、咸鏡道の経済施設12カ所を視察した。経済開発に対する北朝鮮の意志が垣間見られる。

 しかし、北朝鮮の核開発問題が未解決の状態で、大規模な北朝鮮向け投資は不可能だ。梨花女子大学のチョ・ドンホ教授は「米国が北朝鮮をテロ支援国家指定から解除しなければ、戦略物資に分類されるコンピューターを1台でも勝手に持ち込むことはできない」と話す。

 また、南北間をつなぐ銀行口座がないことも大規模な投資を困難にしている。韓国政府は今年4月、離散家族のテレビ映像による再会用設備購入に必要な40万ドル(約4620万円)を北朝鮮に送金する際、100ドル(約1万1500円)札をアタッシェケースに詰め込み、南浦港まで運んだ。だが、慌てて北朝鮮との間に口座を開けば、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)のように「資金洗浄(マネーロンダリング)懸念対象」銀行に格付けされ、信用度に致命的な傷を負う可能性もあり、容易な問題ではない。

 大規模工団建設に必要な財源調達も問題だ。北朝鮮がテロ支援国指定から解除されなければ、世界銀行などの資金を調達できない。韓国政府が推算した2006年から15年までの南北経済協力所要資金だけでも約60兆ウォン(約7兆5140億円)。国策研究所のある研究員は「増税や国債発行で資金を調達すれば、次期政権に非常に重い負担がかかるだけでなく、さらに将来の世代にも負担を押し付けることになる」と警告している。

安勇炫(アン・ヨンヒョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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