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韓ロ首脳会談:北経由の天然ガス導入事業に合意(下)

 しかし、北朝鮮がガスの配管建設に合意しても、実際に乗り越えるべき課題は山積している。中には、夢のような話と指摘する声もある。ある民間専門家は「南北関係が悪化し、北朝鮮がガスの配管網の供給を断ち切ったり減らしたりした場合、韓国社会全体は致命的な打撃を受けることになる。先行きを楽観し、計画倒れに終わってしまう可能性もある」と指摘している。

 しかし、知識経済部の高位関係者は「北朝鮮がガスの配管建設に合意する場合、毎年通関料だけでも1億ドル(約104億円)以上の収入を得ることができるため、北朝鮮にとってもかなりの利益となる」という。

 両社は、PNG方式が不向きであるとの結論が下された場合、ウラジオストク港からLNG方式で天然ガスを供給していく計画だ。

 2015年から韓国に持ち込まれるロシアの天然ガスの規模は、国内の1250万世帯(2007年基準)が毎年使用することのできる量で、国内の年間総需要の20%に相当する。これについて、ガス公社のイ・サンヨン部長は「かなりの量をPNG方式で確保することになるため、供給者中心の国際LNG市場で価格交渉時に有利な立場を占めるようになる」と話している。

◆極東に石油・ガス化学団地を共同建設、運営・販売も推進

 また、両社は極東地域の豊かな天然ガスと世界最高水準といわれる韓国の石油化学技術を結合する案についても検討していく見通しだ。ウラジオストクに100万トン規模のポリエチレンを生産する石油化学団地と500万トン規模のLNG液化プラントを建設し、アジア・太平洋地域に向けLNG方式で輸出するというのだ。石油化学団地の建設費用は少なくとも90億ドル(約9360億円)に上ることが予想されている。

 具体的には、ガス公社とガスプロムが共同出資して合弁会社を設立し、韓国の石油化学会社または建設会社が参加するコンソーシアムの構成も進めていく方針だ。これについて、知識経済部の李載勲(イ・ジェフン)第2次官は「こうなれば、韓国とロシアの両国が保有している資源と技術、資金力、海外マーケティング能力がすべて結合し、相乗効果を上げることになる」とみている。

宋義達(ソン・ウィダル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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