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【コラム】国民所得2万ドルとはいうけれど…(上)

 フランスのメデイアや政界で、最もよく登場する経済用語に「プブアール・ダーシャ(pouvoir d'achat)」という言葉がある。「購買力」という意味だ。購買力はフランス人の1番の関心事だ。購買力とは、物価が上がるのに対し、実際の自分の所得はどれだけ増えているかを測るものだ。

 フランスは世界第6位の経済大国だ。ところがフランス人は「世界第6位の先進国に住んでいる」というプライドよりも、自分の財布にいくら入るかを考える「けちくささ」でじりじりと大統領を苦しめる。全世界のメディアの関心を集めている「スター」サルコジ大統領にとっても、1番のアキレスけんは「購買力」だ。

 昨年の大統領選のとき、、サルコジ氏は「購買力大統領」になると自信満々に公約し、当選した。就任当初こそ過去50年間で最も人気を集めたが、8カ月後の今は支持率が下がっている。大統領選の公約とは違い、財布の中身=購買力を増やせないでいるからだ。それどころか住宅価格・石油価格・生活必需品の値段は跳ね上がり、購買力が衰えた、または足踏み状態だと不満を漏らすフランス人が10人中9人もいる。

 韓国経済を物語る立派な数字の経済指標があふれている。経済成長率が予想を上回り、ウォン高が続く中、「昨年の一人当たりの国民所得は2万ドル(約213万円)を超えるだろう」という見通しも出ている。

 こうした指標を受け、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領も黙ってはいない。「経済状況は順調なのに、何が問題なのか」と口をとがらせたことも。では一体、「国民所得2万ドル時代」に「生活が苦しい」と不満を言っている韓国人とは誰なのだろうか。2万ドル時代に「ドロップアウトした少数派」なのだろうか。

パリ=姜京希(カン・ギョンヒ)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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