【記者手帳】ウォン高で韓国が世界の経済大国入り?
先日、私的な集まりで出会ったある高級経済官僚は、去年の韓国の国内総生産(GDP)が世界で第10位になったという話を誇らしげに話し始めた。対ドル為替ウォン高のおかげで、経済規模を示すGDPは去年、ブラジルを追い抜きトップ10入りしたというのだ。
他の経済部署の局長クラス幹部と会った際も、次のようなバラ色の見通しを語った。「国民所得2万ドルは多分来年は可能なはずです。ウォン高のおかげで当初の予想より2~3年繰り上がることになります。今や先進国の仲間入りです」
ウォン高のため企業の現場では悲鳴が上がっているが、経済官僚の態度は奇妙だ。非公式の場ではウォン高がもたらすメリットについてあちこちで説明している。 ウォン高のおかげでじっとしていても経済規模が大きくなり、1人あたりの所得は増えるから、悪いことは何もないという理屈だ。
実際、最近のウォン高に対し政府当局は事実上、手をこまねいて見ているような姿勢だ。「ウォン高で経済の実績が良く見えるという‘数字の錯覚’を楽しもうという姿勢がありありとうかがえる。
しかし、こうした政府の姿勢は外から逆利用される災いの元にもなる。韓米自由貿易協定(FTA)交渉を前に、米貿易代表部(USTR)は先日、出した韓国分析レポートで「韓国の 1人あたりの所得は2万ドルを越えた」とし、市場開放を要求した。
アメリカは韓国を先進国だと持ち上げて開放圧力を加えているのに、韓国政府は‘所得2万ドル’を自慢してばかりいるため、アメリカの調子に合わせて何の考えもなく踊らされているといったところだ。
先日、訪韓したノーベル経済学賞受賞者のロバート・マンデル教授(コロンビア大)は「韓国の1人あたりの国民所得が増加したのは、(ウォン高で)過大評価されたもの」と指摘した。韓国経済の実力はこの程度だが、韓国政府はウォン高による数字のマジックに酔っているという意味だ。
パク・ヨングン経済部記者
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