アジアで今、「実利主義」ブーム(下)
新たに政治の表舞台に登場したニューリーダーたちは、みな実利主義を掲げるCEOタイプの人物だ。かつてのような高度成長や雇用の安定を再び実現することを選挙公約に掲げた。民衆を煽動する理念偏重の指導者だった前任者とは違い、ニューリーダーたちは世界の常識に根差した保守主義者だ。判で押したかのように「小さな政府」「自由貿易」「開発のためのビジョン確立」といった主張を展開した。それらはみな、高度経済成長の真っ只中にあった1980年代を連想させる言葉だ。
だが、かつてのような経済成長は果たして再現できるのだろうか。専門家たちはそれほど楽観視してはいない。まず、目標値があまりにも高いという指摘が出ている。世界のトップレベルの経済大国であっても、3%の成長率を維持するのがやっとだ。特に台湾と韓国は、すでに成熟経済に到達しており、新興国と同じレベルの経済成長を実現するには無理がある。一人当たりの国民所得が1万5000ドル(約150万円)を超えた韓国や台湾では、経済成長率が5%でも満足しなければならないのかもしれない。
また、ニューリーダーたちが掲げる経済成長のための戦略も議論の余地がある。かつてのような輸出主導型の成長戦略が、現在も通用するかは疑問だ。かつては国際化のビジョンも政府が掲げてきたが、今や国際貿易や資本の流れは、一国の官僚には手に負えないほど加速している。
さらに、時代に逆行するかのような国家主義的な側面もみられる。台湾の馬英九次期総統が掲げる「633計画」は、「年6%の経済成長」「2016年までに一人当たりの国民所得を3万ドル(約299万円)にする」「失業率を3%にする」というものだ。一方、李明博大統領が掲げる「747計画(年7%の経済成長を達成し、一人当たりの国民所得を4万ドル〈約399万円〉とし、世界第7位の経済大国を目指す)」や「韓半島(朝鮮半島)大運河計画」も、これと似たような発想だ。だが、特定の目標を掲げ、それに合わせて支出を増やしていくというやり方は、1950年代から90年代に流行ったものだ。台湾国立東華大学のシ・チョンポン教授は、「大規模な公共事業はゲームのようなものだ。短期的な成長を促進する一過性の効果しか望めないだろう」と指摘している。
全炳根(チョン・ビョングン)記者
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