【コラム】「中進国のワナ」と「赤の女王効果」(下)
しかし、現在は1人当たり国民所得が3万ドル(約354万円)を超えてこそ、先進国のように振る舞える時代だ。われわれが2万ドルに向かって突っ走っている間、先進国も走り続けていたためだ。現代経済研究院は、韓国が年平均4%ずつ成長した場合、10年後の2017年には1人当たり国民所得が4万800ドル(約482万円)に到達すると予想した。しかし、そのころには先進国のカットラインが4万9300ドル(約582万円)に高まり、依然として韓国は先進国の入口を越えられない状態が続くという。
もちろん自然界での進化競争とは異なり、先進国に追いつくのは不可能なことではない。先進国を上回る速度で走り続けるだけでよいのだ。しかし、それは容易なことではない。これまでの100年間で開発途上国から先進国に成長した国は日本以外にないという事実が、その困難さを物語っている。
先進国の入口まで一生懸命走り続けてきたが、最後の峠を越えられず足踏みしている国は1つや2つではない。現在韓国は、まさにその峠にさしかかり、後ずさりをしている。
1990年代に年平均6.3%を記録した経済成長率は、ここ4年間で4.2%に後退した。さらに、30大企業の売上高に対する営業利益率は2004年の12%からわずか2年で7.8%に低下し、半導体・携帯電話・鉄鋼・造船などの主力産業で中国に追われるなど、四方八方で赤信号が点灯している状態だ。
そのため今年に入り、サムスングループの李健熙(イ・ゴンヒ)会長などの企業家らは(中国と日本に挟まれた)韓国経済のサンドイッチ状況を懸念し、英紙フィナンシャル・タイムズは「韓国が夢遊病にかかった」と論評した。
それにもかかわらず、現政権は「大げさなことを言うな」と太平極楽を決め込んでいる。そのため韓国の国民と企業は、自分たちだけでもしっかりと気を引き締め、対処するほかない状況に追い込まれている。
キム・ギチョン論説委員
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