韓国の景気回復は一時的? それとも長期的?
低レベルが続いてきた景気が明らかに回復に向かっている。高級品を中心に消費が活発となり、企業の設備投資も2ケタの増加に転じた。
ただし、この回復が長期的なのか一時的なのかについては意見が分かれる。消費の回復は高級品のみで、ウォン高により企業業績や国民所得は逆に低下していることから、本格的な回復は楽観できない状況だ。
ロッテデパートによると、今月14日の時点でソウル本店の売上げは前年同期比14%増加したという。とりわけゴルフ用品(37%)や海外ブランド品(36%)の販売が業績を後押ししている。
さらに5月の自動車販売台数は前年同期比16%、エアコンは100%、液晶テレビは80%増加した。一方、大型スーパー大手のEマートは6月の売上げがわずか2%増、一般の商店も景気の回復を実感できないなど、消費の回復は今のところ富裕層の高級品消費に限定されている。
一方、企業の設備投資も回復の動きを見せている。今年第1四半期の設備投資は前年同期比10.8%増で、2005年の第4四半期以降では最も回復幅が大きかった。ただし、新紙幣の発行で銀行のATMが入れ替えられたことによる一時的現象との見方もある。
景気の2つの軸となる消費と投資が回復を示していることにより、経済予測機関は今年の経済成長の予想値を上方修正している。国際通貨基金(IMF)は韓国の成長率予想値を4.3%から4.4%へと引き上げ、サムスン経済研究所も4.3%から4.5%へと上方修正した。
しかし、韓国経済研究院の裵祥根(ペ・サングン)博士ら一部専門家の中には、景気の回復は株価高騰や高所得層の消費に依存するだけで基盤がしっかりしたわけではないとする見方もある。とりわけ景気回復の動きにも関わらず、ウォン高の影響で国民の購買力を示す第1四半期の国民総所得(GNI)は前年同期比で0.9%減少し、上場企業の経常利益率も回復していない。韓国金融研究院の朴宗奎(パク・ジョンギュ)博士は「景気の回復が雇用の増大や国民所得の増加へとつながらなければ、今回も一時的なものとなる可能性が高い」と指摘した。
金洪秀(キム・ホンス)記者
ホン・ギョンオプ記者
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