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教科書:大韓民国の「正統性」を明記へ

国史編さん委員会、49項目の「教科書記述ガイドライン」を提出 

 新たに修正される高校の近・現代史の教科書では、大韓民国の政府が、大韓帝国(朝鮮王朝末期)や大韓民国臨時政府(日本統治時代に中国で設立)を継承した正統性のある国家であるということを明記しなければならない。また、北朝鮮の主体思想や首領独裁体制の問題点、経済政策の失敗や国際的な孤立などによる北朝鮮の住民の人権抑圧、食糧不足などについても記述が求められる。国史編さん委員会は16日、こうした内容の「教科書記述ガイドライン」を教育科学技術部に提出した。国史編さん委員会が教科書の修正に関し、教育科学技術部にガイドラインを提出するのは今回が初めてだ。教育科学技術部はガイドラインの内容を基本とし、今月末までに「教科書修正案」を確定、近・現代史の教科書を発行している出版社6社に勧告する予定だ。修正された教科書は来年3月から高校2、3年生が使用することになる。

 国史編さん委員会はガイドラインで、「教科書の執筆では、歴史の解釈における偏向をなくし、妥当性や公正性を高めるよう努めなければならない」として、49項目の記述の方向性について示した。これによると、李承晩(イ・スンマン)政権について記述する際には、大韓民国政府の樹立に貢献したという肯定的な面と、独裁化に関する否定的な面を客観的に記述することとしている。また、韓国が実現した民主主義と経済発展の間には、深い相関関係があることについても記述するよう強調した。

 国史編さん委員会のこうしたガイドラインは、従来の近・現代史の教科書で、大韓民国政府の正統性や北朝鮮の政権に関する記述に問題があったことを認めたものであり、今後6種類の近・現代史の教科書が大幅に修正されることが予想される。

 教育科学技術部は、国史編さん委員会が提出したガイドラインと、中学・高校の教諭や大学教授らをメンバーとする「歴史教育専門家協議会」の意見を参考とし、今月中に教科書の修正案を確定し発表する方針だ。

安晳培(アン・ソクベ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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