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【社説】世界50位にも入れないソウルの金融競争力

 世界の金融マン1200人以上が各国の主な金融センターの競争力を1位から50位までランク付けするという調査で、ソウルは「ランク外」という悲惨な結果となった。ロンドンの金融街「シティ」が発表した「世界金融ランキング」での話だ。このランキングは熟練度、人材の豊富さ、不動産価格と規制、税制度、生活の質など60項目以上をチェックし、弾き出されたものだ。

 ロンドンは総合得点795点で1位となり、ニューヨーク、香港、シンガポール、チューリッヒ、フランクフルト、ジュネーブ、シカゴがその後に続いた。アジアでは3位に香港、4位にシンガポールが入り、それ以外では東京9位、ドバイ24位、上海31位、バーレーン39位、北京46位、カタール47位、ムンバイ48位、大阪50位となった。ソウルはアジアの中でも10位以内に入ることができなかったというわけだ。

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領は2005年6月に大統領府で開催された第1回金融ハブ会合で、「金融ハブは今や構想段階ではなく実行段階だ」と発言した。しかし3年近く経った現時点で、ソウルは金融ハブとして発展するどころか、その芽も踏みにじられたまま世界の金融マンたちの関心の外に置かれてしまっているのだ。

 金融ハブとなるには、何よりも自国の金融制度と専門家のレベルが世界的なものになる必要がある。それには政府の役割も重要だ。ドバイは外国の金融機関を自国に引き入れるためにイスラム憲法まで改正し、シンガポールは投機資本であるヘッジファンドにまで規制を撤廃した。教育・医療・住宅・交通などあらゆる面で、外国人が不便さを感じることなく生活できるほど快適なレベルにまで到達しなければならないということだ。果たしてソウルがこれらの条件をどれほど満たしているのか、それを振り返るだけでも国際的な金融マンたちがソウルに関心を持たない理由が分かる。

 李明博(イ・ミョンバク)大統領は数日前、金融機関の代表たちを集めた懇談会で、「ソウル市長として在任中に“北東アジア金融ハブ構想”を温めていた。(当時の)政府と話し合いを行い規制を解除しようと提案したが、結局まともな対話さえもできなかった」と振り返った。5年後に同じような話が出ないようにするために、新政府はソウルの金融ハブとしての可能性を現実のものとする行動計画を直ちに樹立し、実行に移さなければならない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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