今年2月、福島県郡山市の女性(当時82歳)が救急搬送された際、市内の5病院から計9回受け入れを断られ、約1時間半後に約45キロ離れた福島市内の病院に収容されたが、死亡していたことが分かった。
郡山地方広域消防組合消防本部によると、2月5日午後11時21分、郡山市内の高齢者施設から119番通報があり、約5分後に救急隊員が到着。女性はけいれんや嘔吐(おうと)の症状があり、同市内の5病院に計9回受け入れを要請したが、「ベッドが満床」「担当医がおらず処置できない」などを理由に受け入れを断られたという。
その後、福島市内の県立医大付属病院が受け入れを決めたが、女性は搬送中に心肺停止状態になり、翌6日午前1時9分に同病院に到着したが死亡した。
同本部は「最善を尽くしたが、病院側が収容してくれないとどうしようもない。行政と病院が連携して方策を考えていかねばならない」としている。【松本惇】
毎日新聞 2008年11月14日 11時25分