阪南市は13日の市議会特別委員会で、市立病院の非常勤医師4人が辞表を提出したことを明らかにした。市は「受理はしておらず、今後慰留に努める」という。
市によると、4人は12日に辞表を提出。退職時期は12月末~来年2月末としている。先月の市長選で初当選し、12日に初登庁した福山敏博市長が、選挙戦などで「患者数に応じた報酬は公立病院になじまない」と給与見直しに触れたことが理由とみられる。また当直の補充に入っている医師4人からも、来年3月以降は受けられないと伝えられたという。この日、就任後初めて記者会見した福山市長は、医師給与見直しについて「本意が伝わっていなかった。今すぐ見直す考えはない。収支バランスを見ながら考え、経営が成り立つなら必要はない」と説明した。また辞表を提出した医師については「引き止めるのが使命。すぐにでも話し合いたい」と述べた。
市立病院は昨年6月、和歌山県立医科大が派遣していた内科医5人が引き揚げられ、同時に内科の非常勤医師も全員退職。翌月から内科の外来、入院とも休止した。今年6月、給与を民間病院並みに引き上げる条例改正に踏み切り、9月から内科診療を再開したばかりだった。【酒井雅浩】
毎日新聞 2008年11月14日 地方版