日本航空と全日本空輸の国際線の燃油特別付加運賃(サーチャージ)が来年一月から下がる。ジェット燃料価格の下落に伴う措置だが依然として割高だ。海外旅行離れを防ぐためにも廃止を急げ。
パックツアーでも個人でも海外旅行者にとって本体運賃とは別建てのサーチャージは腹だたしい存在だ。たとえば欧米路線では十−十二月は片道一人三万三千円もかかる。夫婦なら往復十三万二千円。近場の海外旅行がもう一回できる金額だ。
東南アジア路線をみるとシンガポールが二万円、中国一万五百円、韓国でも四千円かかる。これでは海外旅行の意欲もなえる。この夏の海外旅行熱は冷え込んだ。
海外旅行が大衆化したとはいえ割高なサーチャージがあれば客離れをおこすのは当然だ。
現在のサーチャージは三カ月に一度見直すことになっている。算定はシンガポール市場での三カ月間の平均値を参考にする。来年一月以降は今年八−十月の平均一バレル百十ドル台がベースとなる。
新しい付加運賃は欧米路線が二万二千円、シンガポールは一万二千五百円、中国で六千円、韓国は二千五百円程度と全体的に30%以上の引き下げとなる見込みだ。
それは結構だがまだ高い。競争相手であるシンガポール航空やルフトハンザ航空などのサーチャージはいまも日本二社より二万−一万円も安い。来年以降の運賃格差は開いたままだろう。安閑としていては国際競争に後れを取る。
世界の航空市場をみると燃料高騰と競争激化、環境対策などを機に大競争時代に突入している。
米国では業界三位のデルタ航空が同五位のノースウエスト航空を買収し世界最大の航空会社が誕生した。欧州では英、仏、独の航空三社が力を強めている。
また航空運賃をめぐっては国際航空運送協会(IATA)が決める運賃について欧州連合(EU)は昨年十月、独占禁止法の適用除外としない−と決定するなど、競争重視の姿勢を打ち出した。
海外の格安航空会社(LCC)の乗り入れも本格化する。豪州カンタス航空の子会社ジェットスターは来月から成田−シドニーなどへ就航する予定だ。マレーシアのエアアジアも意欲をみせている。
国土交通省は現段階でのサーチャージ廃止には否定的だ。だがいつまでも残していては国内航空会社の体質強化は遅れよう。来春以降は廃止を検討すべきだ。
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