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最新鋭潜水艦「孫元一艦」に重大欠陥

 昨年12月、ドイツの潜水艦メーカーが韓国海軍に引き渡した、韓国初の214級潜水艦(1800トン級)「孫元一(ソン・ウォンイル)艦」(写真)が、騒音などの問題を抱え、作戦を遂行する上で影響を及ぼしかねないことが分かった。

 潜水艦はスクリューを回転させて進むが、これに伴って生じる音が敵艦に探知され、追跡・攻撃されるため、騒音が大きいというのは致命的な欠陥になる。

 軍の消息筋は14日、「孫元一艦の騒音が、ドイツHDW社とのライセンス契約書に記された基準値を上回っているため、建造した現代重工業で来月中にスクリューの推進軸を交換することにしている」と語った。孫元一艦は現代重工業がドイツのHDW社とライセンス契約を結び、設計図と技術の提供を受けて建造した。

 HDW社は、孫元一艦の騒音が解決できていないため、昨年末に韓国海軍に引き渡す際、「50億ウォン(約4億9700万円)の保証金を設定して引き渡した上で、1年以内に問題点を解決していく」という内容の瑕疵(かし)保証契約を結んでいたことが分かった。海軍は1隻当たり約3500億ウォン(約347億5800万円)の214級潜水艦を3隻導入する計画を打ち出しており、昨年には2隻目の「鄭地艦」が進水した。さらに2010年までに、3隻目の進水が予定されている。

 また、2005年には随意契約の形でさらに6隻導入することを決め、現在HDW社との間で最終交渉を行っている。18年までに建造される6隻の導入にかかる費用は1隻当たり約5000億ウォン(約496億5400万円)に上るとされている。

 214級潜水艦は、韓国が導入するのに先立ち、ギリシャがドイツから輸入する契約を結んだものの、06年に騒音問題をはじめとする設計・建造上の瑕疵を理由に引き渡しを拒否し、外交摩擦にまで発展する事態となった。

ユ・ヨンウォン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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