「1頭1億ウォン以上」 密漁者に狙われるクジラたち
今月22日、蔚山(ウルサン)の方魚津(パンオジン)で競売に出された全長5メートル、胴回り2.7メートルのミンククジラのヒレ部位(表皮から10~20センチ)から長さ約10センチの銛(もり)の先3個が発見された。
蔚山海洋警察署は「この銛の先が長さ1メートル前後に切れた鋼のワイヤーについていた点から、密漁者の仕業と見られる」と先月中旬以降、近隣の港で入出港した漁船20隻余を対象に聞き込み捜査をしている。
しかし、「漁師たちの多くは知らぬ顔を決め込み、10トン規模の小型漁船3~4隻が不法捕獲に加担したという推定以外にこれといった手がかりをつかめずにいる」と伝えた。
これに先立ち3月14日には不法捕獲したクジラを甲板で解体した後、船舶の底に隠して入港しようとした引き網漁船が蔚山海洋警察署に摘発され、船主のムン某(62)容疑者ら2人が拘束、漁師6人が書類送検された。
ムン容疑者らは蔚山の沿海で3~4メートルの鋼鉄の銛を利用し、全長5メートルのミンククジラと全長1.5メートルのイルカ1頭を密漁した疑いが持たれている。
クジラの不法捕獲件は2~3カ月に約1件、毎年5~10件程度摘発される。しかし実際にはこれより3~4倍多いと海洋警察署は推算している。
不法捕獲の摘発は容易ではない。密漁に加担する漁船が正常な漁業免許を持っている一般漁船である上に、操業中にクジラを発見した際、無線機で互いに連絡を取り合い、近くにいる漁船が集まって合同で捕獲に取り組むことが多いからだ。
鋼鉄の銛や銛の先も一般の鉄工所で簡単に手に入れることができる。漁師のリュ・ムヨル(40)さんは「銛は漁船が遭難した際、サメの攻撃に備えて3~4本ずつ持っていることが多い」と説明した。
また、クジラを捕まえた場合、即時解体して夜間や早朝に甲板の下の保管庫に隠し、保管庫を開けることができないよう釘で打って入港してくるため、発見するのが難しいというのが海洋警察署側の説明だ。
そうして捕獲したクジラを売って得た利益をめぐり漁師と流通業者に軋轢が生じると、情報提供で証拠をつかむケースが多いと海洋警察署は説明する。
国際捕鯨委員会(IWC)のクジラ保護協約によって、国内では1986年から捕鯨が禁止されている。ただし、混獲(偶然網にかかること)や座礁(死後に港・入り江に打ち上げられること)の場合は調査を経て発見者の所有が認められ、競売が許される。
今年に入って蔚山、浦項(ポハン)など東海岸で捕獲されたクジラは全部で約50頭。先月25日と21日、蔚山近海で捕まった全長7メートル、胴回り3.8メートルのミンククジラは1億2365万ウォン、全長7メートル、胴回り3.3メートルのミンククジラは1億900万ウォンの高値で競売された。
蔚山環境運動連合のソ・トドク事務処長は「2005年5月末のIWC年次総会の蔚山開催を控えているため、密漁の事実が国際社会に知れたら大恥」と積極的な取り締まりを促した。
蔚山海洋警察署は「今月から浦項海洋警察署と東海岸の共同パトロールを強化し、地域内約30カ所の鯨肉料理店の冷凍倉庫の在庫量まで把握し、不法な捕獲と流通の取り締まりを強化している」と話した。
蔚山=金学賛(キム・ハクチャン)記者 chani@chosun.com
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