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海外にも「独島」問題があった(下)

世界の領土紛争413件を分析

◆イギリス‐米国間の「サン・フアン島」紛争

 1846年に米国とイギリスの間で結ばれたオレゴン条約は、「北緯49度線」を米国とイギリス領カナダの国境と定めた。49度線は西端の太平洋沿岸にあるバンクーバー島を横切っていたが、同島は全て英国領とされた。

 問題は、バンクーバー島と隣接していながら49度線以南にあるサン・フアン島が米英どちらに属するものなのか、ということだった。オレゴン条約には、この点について特別な言及はない。

 そうこうしているうちに、米国の開拓者が続々と同島に移住した。1859年にある米国人の農夫が、イギリスの会社員が所有するブタ1頭を銃で撃ち殺した。これをきっかけに、「ブタ戦争(Pig War)」の名で知られる紛争が勃発した。1872年、ドイツ皇帝ウィルヘルム1世の仲裁により両国は双方完全に撤兵、米国の領有権を認定することで、サン・フアン島問題は平和的に解決した。

◆「過去の植民支配国による決断が必要」

 本書を出版した東北アジア歴史財団は、「フベントゥ島やサン・フアン島は、いずれもかつて植民支配国だった国(米国・英国)が、領有権がないことを自ら認める姿勢を見せたという点が重要だ」と指摘する。

 領土紛争が終結した318件を調査した結果、「挑戦国の放棄」事例は71件に上り、「両者協定」に次いで多くの比重を占めているという。

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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