田麗玉著『悲しい日本人』、知人のアイディアを無断使用
ソウル中央地裁の民事25部(ハン・チャンホ裁判長)は11日、田麗玉議員がオーマイニュースの呉連鎬(オ・ヨンホ)代表らを相手取り、「田麗玉議員が『日本はない』を執筆する際、親しくしていたユ某さんの草稿などを無断で使用した」と報じた記事は名誉毀損に当たるとして、5億ウォン(約6110万円)の損害賠償を求めていた訴訟について、原告(田議員)敗訴の判決を下した。
判決文によれば、田議員は1991年、KBS東京特派員として日本に赴任した際、日本でユさんと知り合い、その後家に遊びに行ったり食事をするなど、親しく付き合っていたという。当時日本で有名ルポ作家として活躍していたユさんは、1990年ごろから『日本人、あなたは何者か』という本を出版するため、取材を重ねていた。田議員はユさんからその内容を聞き、93年8月にはユさんの原稿20枚程度をコピーした。田議員が93年11月に韓国で本を出版したところ、日本にいる留学生らの間で「ユさんのアイディアを無断で使用した」とのうわさが出回った。
これを受け、インターネット・メディアのオーマイニュースは、2004年7月にユさんに対しインタビューを行い、この盗作疑惑を報じ、さらに政治評論サイト「サプライズ」も盗作についてのコラムを掲載した。これに対し田議員は「ユさんのアイディアを無断で使用したり、取材記者を脅迫して取材に圧力を加えたりした事実はない」と主張、虚偽の事実を記事にされ、名誉を毀損されたとし訴訟を起こした。
だが、裁判では田議員に不利な証言が相次いで出てきた。例えば、ユさんの作業を手伝っていたキム某さんは、法廷で20カ所余りの文章を指摘し、「ユさんから聞いた内容や言葉遣いまで全く一緒だ」と陳述した。また、オ某さんは「大学院の授業で日本人教授が韓国人をさげすむ本を教材に使ったため、韓国人学生らが反発し討論になったエピソードは、ユさんだけに話したのに、『日本はない』に載せられていた」と証言した。
さらに、女性新聞のキム某記者がこれらの証言を記事にすると、田議員は同紙の社長に電話をかけ、「記者1人をクビにするくらい簡単なことだ」と抗議した、と裁判所は明らかにした。
この訴訟について、裁判所は「田麗玉議員の名誉が毀損されたことは事実だが、国会議員の道徳性と直結する公益を目的とした公職者に対する疑惑提起といえる。また田議員は、ユさんが日本に関する本の草稿を作成していることを知りつつも、その内容の一部を自らの著書に無断で引用したことは事実と認められるため、違法行為には当たらない」との判決を下した。
しかしこの判決に対し、田議員は「とんでもない判決に開いた口がふさがらない。今回の件は、オーマイニュースなど一部のインターネット・メディアが、わたしの道徳性と信頼性を傷つけることを狙い、利用している政治的なものだ。また、ユさんや親しい人々による偏った証言だけを事実と認定した判決は受け入れ難く、控訴する」とコメントした。
キム・ジン記者
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