再犯率高い性犯罪にどう立ち向かうか
昨年4月10日、未成年者に対するわいせつ行為で執行猶予判決を受けた50代の男性が、執行猶予期間が終了した翌月に再び小学生に強制わいせつ行為を働く事件が発生した。学校を終えて家に帰る途中だった小学校4年生のキム某ちゃんに近づき、わいせつ行為を働いたこの容疑者は、3年前にも女子児童に強制わいせつを働いた容疑で、裁判所から懲役6カ月、執行猶予2年を言い渡されていた。
法務部によれば、性犯罪者のうち10人中3人は同種の前科が5回以上ある常習犯だった。国立法務病院のチェ・サンソプ院長は「幼いころに性的暴行を受けた患者らは、そのショックで一生うつ病や統合失調症を患うケースが多い。しかし加害者らは、その深刻さを知らないまま性的衝動に駆られて罪を犯し、処罰されても犯罪を繰り返すケースが多い」と語った。
性犯罪はほかの犯罪に比べて中毒性が強く、再犯の可能性が高い上に、回数を重ねるほど犯行が残忍になっていくという。また、子供のように性的暴行の被害者が弱者の場合、犯人が告訴を恐れて被害者を殺害する事件に発展するケースも多い。
さらに、自らの周囲にこうした性犯罪の前科を持つ人が住んでいることを知らずにいることも大きな問題だ。今月24日に亡くなった状態で発見された済州島のヤン・ジスンちゃん(9)は、近所に住むソン某容疑者(49)から性的暴行を受け、殺害されたことが明らかになった。警察は述べ3万1000人余りを動員して捜索したが、犯人が被害者の家からわずか120メートルしか離れていない近所に住んでいることに気がつかなかった。なおソン容疑者は、1992年にもソウルで2歳の男児を拉致しようとして両親に発覚、刑務所で10年過ごすなど、性犯罪や詐欺など前科23犯の経歴を持つ人物だった。
昨年2月、ソウル龍山で殺害されたホちゃん事件もほぼ同様のケースだ。路地の向かい側の家に住んでいた犯人のキム某氏は、近所に住む11歳のホちゃんに性的暴行を加えようとして抵抗され、殺害した。キム某氏は、以前にも飲み屋で4歳の子供に強制わいせつ行為を働き、懲役1年、執行猶予2年の判決を言い渡され、その執行猶予期間を終える前に再び犯行に及んでいた。こうした事実をまったく知らなかった近所の人々は「そうした人物に対し、どうして何の対策も取らずに放置していたのか」と批判する声を上げた。
また今年3月、蔚山で30代の主婦に性的暴行を加え殺害した容疑者も前科16犯、そのうち強姦の前科だけで5犯になる人物で、被害者の家からわずか200メートルの距離に住んでいたことが明らかになった。
こうした常習性犯罪に対し、一般の犯罪と同様の観点から処罰するのでは被害を減らすことはできないと専門家らは指摘している。特に短期間の懲役刑や、何らかの対策措置を取らないまま執行猶予を言い渡せば、直ちに再犯に及ぶ危険性があると警告している。
ソウル市立恩平病院のクォン・ジョンファ院長は「韓国も先進国のように、児童に対する性犯罪者の顔や身元情報を全面公開し、住民らに周知の上、注意を呼び掛けるべきだ」と主張した。
また、性犯罪者を一定期間治療監護した後、再犯の懸念がなくなった後に出所させるべきと主張する声も高まっている。こうした声を受け、金成浩(キム・ソンホ)法務部長官は最近、「特定の性犯罪者らを治療監護対象に含める法改正を準備している」と表明した。
辛殷振(シン・ウンジン)記者
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