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【社説】李明博時代の幕開け(上)

 今日2月25日に李明博(イ・ミョンバク)氏が大韓民国第17代大統領に就任する。初代の李承晩(イ・スンマン)大統領や経済発展を成し遂げた朴正熙(パク・チョンヒ)大統領など、9人の前任者がいるこの重い立場が李明博大統領に引き継がれるのだ。大韓民国5000万人の国民と2000万人の北朝鮮住民、500万人の海外同胞が李明博時代の幕開けを見守っている。世界の視線も李明博大統領率いる大韓民国が、今後どのような方向へと向かうのか注目していることだろう。

 李大統領は今日、就任のあいさつを通じて「先進化に向けた前進」を宣言する。国民統合と経済再生、法秩序の確立が先進化へと向かう道だ。分裂と停滞の5年を経験した国民も同じように願っている。李大統領は国民の心の中にあるこの願いに火をともし、強く燃えたぎらせなければならない。それが李明博時代を未来へと導く真の動力になるだろう。

 現在、大韓民国が対している状況は決して順調なものばかりではない。ここ2カ月余りの政権引き継ぎ期間に行われた政府の組織改革については、与野党が国の課題について協力し合うきっかけとすべきだった。新政府の人事も地域や階層間の対立を解消する契機となってほしかった。しかし李大統領の任期が始まる今この瞬間、与野党は国の新しい方向に向けて手を握ったのか、東と西、富める者と貧しい者はお互いの凍りついた心を溶かせたのか、誰も確信できていないだろう。これが誰の責任であれ、その結果は李明博時代の課題となっている。

 李明博大統領の経済政策に対する国民の期待は、まさに叫びに近い。しかしこの願いには関係なく、世界経済には不穏な動きがあちこちで見られている。サブプライム問題で米国の経済成長率が1%にも満たなくなる見込みだという。世界の消費市場である米国が不振に陥れば、その影響は中国を経て大韓民国へと及び、輸出の道がたちまち閉ざされてしまう。現時点でもエネルギー価格や穀物価格は日々上昇を続けている。輸出市場や原油などの資源問題は韓国経済のアキレスけんだ。その弱点がどちらも危機に瀕している状況で、李明博時代が始まろうとしているのだ。この状況をどのように克服するか、それこそが李明博時代の最初の課題といえるだろう。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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