「過去史清算、現政権の歴史観に誤り」
ニューライトの旗手二人の対談集出版
- 左から安秉直教授、李栄薫教授
「ニューライト運動は、これから一世代は苦労を重ねながら韓国の中産層を戦闘的で献身的な自由主義者として教育し、自律的な市民社会として組織していく必要があります。その道だけが、韓国が先進化し得る唯一の方向だと考えています」(安秉直〈アン・ビョンジク〉教授)
「左派陣営から出版された本であれば、内容が別に満足行くものではなくとも、筆者の名前を押し立てるだけで3万から4万部は売れます。その一方、右派陣営の本は1万部を超えることすら容易くはありません。…だからこそニューライト(新右翼)運動はまさに今、出発したばかりと言えます」(李栄薫〈イ・ヨンフン〉教授)
経済史学を専攻した師弟学者にして「脱民族主義右派」の代表走者であり、現在ニューライト運動の先頭に立つ二人の対談集が出版された。ソウル大の安秉直名誉教授と、同大の李栄薫経済学部教授による『大韓民国 歴史の岐路に立つ』だ。
事実、二人は「左派運動家から転向した学者」というところにも共通点がある。1960年代末、「植民地反封建社会論」を打ち出し韓国の代表的な進歩学者という名声を得た安教授は80年代に入り、「破綻に直面しなければならないであろう」韓国経済がむしろ急速に成長するのを見て、第三世界でも資本主義の成立が可能だという「中進資本主義論」に転向した。
また李栄薫教授は、除籍された後、ソウル九老工業団地に偽装就職したこともある「運動家」だったが、漸進的な「転向」の道を選んだ。88年、智理山登山を終えてソウルに戻る途中、当時の代表的な左派知識人であった故パク・ヒョンチェ元朝鮮大教授に「あの都市の光をご覧なさい。あれがどうして新植民地なのですか」ときつく叱られたこともあったという。
二人は現政権が主導する過去史清算運動に言及する中で、姜万吉(カン・マンギル)高麗大名誉教授らに対する「実名批判」もためらわなかった。安教授は「60年以上も前の過去の歴史を、司法権もない研究者たちが法律的に判断するという事実それ自体が、深刻な法理的矛盾を示している」と述べ、李教授は「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の国政運営がいよいよ混乱の度を増していることも、このように誤った歴史観に基づいた過去史清算に大きな要因がある」と語った。
大韓民国が先進化して行くためには、どうしなければならないのか。安教授は「現在、世界第30位の水準にある国民1人当たりの所得水準を、10位‐20位の3万ドル(約322万円)程度に引き上げるためには、今後10年間、世界の平均成長率の1.5倍に当たる6%程度の高成長を成し遂げることが絶対的に重要だ」と語った。
しかしながら、南北問題による理念的対立や国家体制をめぐる政治的混乱、無秩序な労使紛争をそのまま放置しては、経済発展を図ることはできない、というのが二人の現実的診断だ。
兪碩在(ユ・ソクジェ)記者
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