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「本当の韓国人として日本の妄言を批判します」保坂祐二教授

 日本の政治家の「妄言」に対し、韓国人以上に憤怒し批判していた保坂祐二・世宗(セジョン)大学教授が日本の国籍を捨てた。韓国生活15年目の保坂教授は先日、韓国国籍に帰化した。

 「韓日関係を見ながら、常に日本人が過去の歴史を歪曲することに対し残念な気持ちを抱いてきました。本当の韓国人になってこの問題を真剣に研究し、感じてみたいと思いました」

 保坂教授のこの言葉は、日本の歪曲された歴史観を正すために努力してきたその過程を見れば納得がいく。保坂教授は先月、日本の韓国侵略と植民地支配を正当化した「石原慎太郎東京都知事の妄言」の話を出すと、真剣な表情で首を横に振った。

 「日本は保守化、右傾化しています。その先頭に立っている日本の一部の政治家や論客たちは、それを利用し人気取りをしているのです。韓国人はただ黙っているのではなく、そのような事態が発生する度に強く反発しなければなりません。日本の国民は韓国人が沈黙していると“認めている”と思います」

 自民党の麻生太郎議員が「創氏改名(日本植民地時代、韓国人の氏名を強制的に日本名にしたこと)は朝鮮人が先に希望して始まった」という妄言を吐いた時も、保坂教授は直ちに麻生議員側に電話をかけた。

 「一体どんな資料を根拠にそのような発言をしたのか資料を提示して欲しい」と問いただした。「感情的になるばかりだった」韓国政府の対応とは違い、日本人教授という立場から鋭く「根拠となる資料」を要求すると、慌てた麻生議員側は結局、「創氏改名の発言は講演が終った後に行われた質疑応答で出た突出的なものだった」と弁明したという。

 日本出身でありながら韓国人以上に日本の妄言に憤怒する理由は何なのか。その理由を知るには保坂教授が東京大学工学部の学生だった時代にまで遡る。

 「偶然『明成皇后殺害事件』に関する話を聞いて大きなショックを受けました。『一体、日本がなぜそのような事をしたのか』を調べるため、韓国に留学することにしました」

 韓国語を学んだ後、高麗(コリョ)大学・政治外交学科の大学院を経て博士課程を踏む中で、自分が疑問に感じていた問題を調査した。

 「日本植民地時代」に関する保坂教授の研究は、結局、「日本帝国主義の民族統合政策分析」という博士論文を誕生させ、それが縁となり98年からは世宗大学の日本語・日本文学科の教授となり、現在は日本語と近代・現代日本史を教えている。

 保坂教授は「明成皇后殺害は全て事実でした。それだけでなく、731部隊、生体実験、創氏改名など、日本がやってきたことを新たに知る度に帰化を考えてきました」と話した。

 また、「これまで何食わぬ顔をしていた知人も、私が昨年『日本に絶対やられるな』という本を出したら突然態度が変わりました。自分の信念に基づいてやっていることなので、あまり気にしていません」とした。

 日本人の属性をよく知る保坂教授は、度重なる妄言への対応をこのように話した。

 「韓国は『人間の道理』を重視する儒教、日本は侍文化を持ちます。侍は戦って勝つためには相手の弱みをできるだけ多く探し出します。妄言のたびに怒るだけではなく、『資料』に基づく論理的な反駁を通じて、ひとつずつ論破していくべきです」

 保坂教授はまだ日本名を使っている。改名の手続きが複雑なせいもあるが、これまで「保坂祐二」の名でさまざまな論文や本を出してきたためでもある。

 韓国人女性と結婚し、2男1女をもうけた保坂教授は「私は情に厚く温かい韓国が好きで韓国人になりましたが、最近の韓国人が韓国を嫌って移民する姿を見ていると、まことに遺憾です」と話した。

申知恩(シン・ジウン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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