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韓国史教科書:学界から異論「学問的根拠乏しい」(上)

 韓半島(朝鮮半島)で青銅器時代の開始時期を紀元前10世紀としていた現行国史教科書を修正することについて、考古学界ではおおむね賛成している。韓半島北部だけでなく、最近の江原道や慶尚南道などでの発掘結果を総合すると、青銅器時代の開始時期を数百年さかのぼるべきだというのが考古学界の主張だ。

 しかし、韓半島の青銅器時代の開始時期を紀元前20世紀にまで早めることについては、「学問的根拠に乏しい」と修正を保留する雰囲気だ。放射線炭素年代測定の結果を基に、紀元前16世紀から紀元前15世紀説を提示する学者らもいるが、学界で多数を占める見解は紀元前13世紀程度だ。

 韓国青銅器研究の最高権威に挙げられる李健茂(イ・ゴンム)前国立中央博物館館長(現龍仁大教授、文化財委員)は「中国遼寧地域やシベリア地域では、紀元前2000年ごろのものだけでなく、紀元前2500年ごろの青銅器も出土している。しかし、同時に出土した土器など、文化の全体的様相を分析した場合、この時期の遼寧地域と韓半島は異なっている。考古学で土器は時期区分の指標として利用されるが、放射性炭素年代測定の結果と土器などの遺物の出土状況を総合すると、韓半島での青銅器文化の開始時期は早くとも紀元前13世紀程度」と批判した。

 同様に李康承(イ・ガンスン)忠南大教授(文化財委員)も「紀元前20世紀から15世紀説はあまりにも早すぎる。教科書に載せるのには慎重になる必要がある」と指摘した。

 また李康承教授は、青銅器文化の定義についても慎重になるべきだと主張した。新石器時代の代表的土器が櫛目文土器ならば、青銅器時代の代表的土器は無文土器。ただし、無文土器は青銅器の流入よりも早い時期に韓半島に出現している。韓国考古学界ではこの青銅器がない無文土器時代についても、無文土器を使用していた人々の文化相が櫛目文土器に代表される新石器時代とは明らかに異なるため、「無文土器時代=青銅器時代」としている。

 そのため、李康承教授は「一口に青銅器時代といっても“青銅器がある青銅器時代”と“青銅器がない青銅器時代”には微妙な差がある。韓半島で“青銅器がある青銅器時代”の始まりは早くとも紀元前10世紀程度だろう」と説明した。

慎亨浚(シン・ヒョンジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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