中国人の男との間にできた男児を出産直前だった中国人の女が、男児に日本国籍を取得させるために日本人の男と偽装結婚したとして、警視庁組織犯罪対策1課が、中国籍の東京都北区、アルバイト、姜欣欣被告(27)を電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で逮捕=同罪で既に起訴=していたことが分かった。子供の国籍取得目的の偽装結婚が明るみに出るのは初めて。男児に日本国籍を取得させ、長期の在留資格を得ようとしたとみている。
調べでは、姜被告は06年9月、長野県岡谷市の廃品回収業の男(47)=同罪で起訴=と結婚の意思がないのに、岡谷市役所に婚姻届を提出した疑い。
姜被告は当時、妊娠8カ月で、同11月に出産。男児は中国人の男(33)=入管難民法違反罪などで服役中=との間にもうけた子どもだったが、日本人ブローカーの女(44)=電磁的公正証書原本不実記録・同供用罪で起訴=らに約100万円を支払い、「夫役」の男を紹介されていた。「子供が日本国籍を取得すれば、日本で働き続けることができると思った」と供述しているという。
組対1課によると、子供が日本国籍を取得した場合、偽装結婚した日本人配偶者と離婚しても、養育などが考慮され定住資格が得やすくなるという。
姜被告は07年5月に離婚。男児は現在、中国国内で姜被告の家族に養育されている。姜被告の罪が確定すると、男児の戸籍は訂正され、日本国籍を失う。【武内亮】
毎日新聞 2008年10月27日 15時00分